No.138
-大人の学びを取り巻く環境は変わりつつある-
株式会社ブックマークス
代表取締役 /『勉強カフェ』創業者
山村 宙史さん
未来は予測できないと言われます。私もあなたも、自分がどういう人生を送ることになるかはわかりませんし、世の中もどうなるかはわかりません。良い人生を送るのも、あまり良くない人生を送るのも自分次第です。未来がどうなるかはわからないわけですが、一方で、これからの日本に起こることが決まっていることもあります。
「日本の人口が減ること」
「高齢化が加速すること」
この2つに関しては、今後間違いなくそうなります。
小中高、大学受験までの勉強は、大人が決めたレールに沿って進みます。そしてたいていの場合、レールの先にあるのは、大学に進学して就職することになっています。人気企業ランキングを見ればわかるように、有名な企業に就職すれば勝ち組だと考える学生はまだまだ多いようです。ただ、それも仕方ないのかもしれません。なぜなら、ひとつ前の世代ではそれが常識だったからです。日本も企業も個人も右肩上がりの時代。終身雇用や年功序列といった制度のもと、車を買って、結婚して、子どもができて、家を買って、60歳でリタイアしたあとは夫婦で海外旅行…と、多くの人がこのように自分の将来を描くことが比較的できたのです。今から、たった数十年前の話です。
一方、すでにはじまっている人口が減り、皆が長生きするようになる現代において、一昔前に60歳だった定年は、今は65歳、まもなく70歳になります。時代は必ず変化します。未知の世界に存在する既定事実を見極め、それを受け止めることが重要です。
私は、【周りの変化に対応すること、自らが主体的に変化すること、そのために周りから学ぶこと】が、大人のする勉強であると思います。23歳で新社会人になった人が、70、75歳まで働く人が大半となる世の中になります。社会保障もあてにならないので、ずっと現役でいることになります。変化の激しいこの時代、23歳時点の能力やスキルで、その先の長い社会人時代を果たして逃げきれるでしょうか?そんなはずがありません。気づいた方は、自らのスキルを高めるために学びはじめています。『勉強カフェ』では、全国3,000名あまりの方が日々勉強されています。
では、世の中の大人の皆が勉強しているか?というと、残念ながらまだそうではありません。世の中全体で見れば、「これまでの人生でいつ一番勉強しましたか?」と社会人に聞くと、大学受験のときに一番勉強したと答える方が多いのが現実。だからこそ『勉強カフェ』は、これからますます大きな役割を担っていくことになります。学びを通じて幸せになる大人を増やすこと。これが私の使命です。
株式会社ブックマークス
代表取締役
『勉強カフェ』創業者
山村 宙史(やまむら・ひろし)さん
1979年北海道函館市生まれ。2002年中央大学卒業後、大手イタリアンレストランチェーン「サイゼリヤ」に入社。複数の店長を務めたあと外為仲介会社へ転職。その際に経験した「勉強する場所がない」という自身のニーズから2008年、株式会社ブックマークス創業。同年、ありそうでなかった大人のための勉強スペースとして『勉強カフェ』を作る。
2013年には『勉強カフェ アライアンス』を作り、全国各地にも出店を開始。
勉強カフェは2016年5月現在、全国各地に20店舗を展開中。
【2016年5月インタビュー】
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