2011年に立ち上げた「仕事旅行社」。この社名は、いろいろな仕事を旅するように実際にやってみる、そんな体験を提供する会社というコンセプトのもと命名しました。社会に出て1度企業に就職すると、それ以外の職業を実体験できる機会はなかなかありません。そこで、“世の中にある多彩な職業を、大人が体験できたらいいのに”と思い、この事業をはじめました。
なぜ、このような想いを抱いたのか・・・。それは自身の体験からです。私が就活中だった2006年頃は、周囲に外資系のコンサルや金融業界を目指す人が多く、また、以前から“人の可能性を広げる”仕事に興味があったことから、可能性を広めるツールのひとつである“お金”を扱う金融関連の仕事に就きました。しかし、リーマンショックによって業界に激震が走り、お金の良い影響も悪い影響も目の当たりにしたことで、“自分のやりたいことは他にあるのではないか”と考えはじめました。さらに、仕事は厳しいものだ、つらいものだと考える上司との感覚のズレも広がりつつあり、違和感を拭えない日々を過ごしていました。そこで、こうした日々を変えるべく、“自分の求める仕事とは何か”を突き詰めて考えた結果、生活の糧を手に入れる手段以上に、「自己実現の手段」の要素を重視していると思い至りました。
そして自分のやりたい企画をもとに、多くの他業種の人たちと会って話したり知見を広めていくにつれ、自分の知らない働き方や価値観、世界が広がっていることが次第に見えてきて衝撃を受けました。つまり、これまでの自分は狭い世界や価値観しか知らなかったがゆえに、仕事の幅を狭めていたのだと。この経験が、「多くの人に仕事の選択肢やそのやり方を知るきっかけを作りたい」という想いとなり、現在の仕事につながっています。
会社設立から約2年。現在では70を超える職種を体験してもらえるようになりました。この仕事に就いて、「体験して良かった!」と利用者から言っていただくことが何よりも大きな活力になっています。職業体験を通じて憧れの仕事をやってみて、新たな一歩を踏み出す人もいれば、逆に現職の良さを再確認する人もいます。こうした比較・選択を、自分の頭と身体を使って行ってもらうためにも、今後はもっともっと多くの人に参加してもらいたい。そのためにもっと幅広い職種を日本中で体験できるようにしていきたいです。
いまの私には、「あなたにとって仕事とは?」という問いは、「あなたにとって人生とは?」ということとイコールで、そこでの答えは「楽しむこと」、この一点につきます。日々の仕事に違和感をもっている人や楽しめていない人、やってみたい仕事があるけどあと一歩を踏み出す勇気のない人には、ぜひ一度、「仕事旅行」に出かけてほしいと思います。
はい。
仕事とそれ以外を切り分けていないので、「仕事以外」と区切ることはできないのですが、違ったプロジェクトを仕掛けてみたいです。
現職で悩んでいた方が、「仕事旅行社」で体験した仕事にピンときて、翌日には勤務先を辞めて上京してきたというケースがありました。
そんな、人の大事な決断に関わる機会を提供していた、と認識したときは感動しました。
「仕事が大切なの? 私が大切なの?」という質問みたいで答えにくいですね。
強いて言うのであれば家族、友人です。
幼少時よりスキーが好きだったことからスキーの先生。教師。
デジタルスキル。子供にはデジタルネイティブになってもらいたいですね。
パソコンのあるところが自分にとっての仕事場なので、1日中使っています。
“好きなことをやって生きていけること”が成功だと考えているので、
自分の好きなこと、興味のあることを見つけるだけの知的好奇心を持つことが大切だと思います。
本を読みます。
良かったこと=フットワークの軽さ。
スタートアップの業界に所属しているので、大企業と競り合うためにフットワークの軽さは必須。まずは行動してみるのが重要です。計画よりも、行動を繰り返したほうが結果に結びつきます。
NO。パソコンスキルは、あって当たり前です。あることが有利になることはありませんが、ないのはアウトです。
興味の有無にかかわらず、できる限り多くの企業を訪問してみてください。
働き方の種類や幅を知っていることが、今後の社会人人生を大きく左右します。
賛成、反対のどちらともいえない。
学生時代の起業のほうが、自由な発想ができるプラス面がある一方、社会人経験がないと、事業の組み立て方、組織の運営の仕方がわからないなどのマイナス面も。
不安は解消できませんが、考えないことは可能です。
考えても解消できない不安は、考えないことが一番です。
1979年神奈川生まれ。2006年、国際基督教大学卒業。2011年に金融会社を退職後、「ほかの業界を見てみたい」という思いに駆られ、さまざまな業界への会社訪問を繰り返す。 その際に感じ取った新しい発見や気づきにあふれた“会社訪問の魅力”を世の中にシェアしたいと、2009年に仕事旅行(大人向け職業体験サービス「仕事旅行」)の企画に着手。 その後、2011年に、もう一人の創業者である内田靖之と出会い、仕事旅行社を設立。現在は、共に代表として運営中。