今思えば、私は怠けモノでした。子供の頃から、“どうすればラクに楽しく生きられるのか”、ということを考えていました。田舎の子供の「夢」ですね。
すべてが変わったのは、自分しか頼るものがなくなったということがわかった時です。自分で考えて、自分で決めて、自分で動かねばならない。さらに、そのどん底のような時にでも、自分を見放さずに助けてくれる友人や、「使える」モノやコトは何か、ということへの嗅覚が異常に鋭くなったことがあります。私の現在の人格や手法に大いに影響していることです。
日本国内だけでなく、海外(この原稿は出張先のドバイで書いてます)においても、これは非常に重要です。もちろん、ビジネスの成功には会社の信頼性や製品が優れていることが要因としてあったほうが良いですが、知り合うきっかけや、そこから進む取引の現場では、個人のパフォーマンスが大きな影響を与えます。特に、私の会社のような小さなITベンチャーではなおさらのこと。
私の一番の特技は「営業」です。しかも、ただ商品を売るのではなく、企画を売るということ。学歴も、頭も良くないと自負していますが、おそらく子供の頃から変わっていないのはこの企画力。
「営業とは、イマジネーションである」というのが私の信条ですが、モノを売るのも、ヒトに来てもらうのも、コトを考えることからはじめます。
作家の中島らもの言葉で、私が大好きなものがあります。
「教養とは、何もない刑務所で時間を潰すのに最高に役に立つもの」。自分の頭と体に染みつかせた知識と体験は誰のものでもなく、死ぬまで持ち続ける自分の「一部」であり、自分そのものなのかもしれません。
「全人格を以て営業する」と、私はよくスタッフに話をします。もしすべてを出し切ってうまくいかないのであれば、それはどうしようもないことなのだと。仕事の時も、どんな時でも悔いを残さない一瞬を積み重ねることが、最終的に自分というものを形作り、キャリア自体になるのだと思っています。
毎日が楽しくてしょうがないです。
終わらない旅。
大企業などを相手にコンペで勝つこと。会社やブランドではなく内容一本で勝負して逆転すること。
家族、友達、矜恃。
旅行家。森本哲郎の肩書きがこれで、「旅してお金がもらえるなんて!」と。
英語、多様な価値観。仕事に限ったことではないですが。
相棒。
成功の定義を決めること。そしてスモールサクセスを積み重ねること。
昼寝。
『データの見えざる手』 [矢野和男 著 / 草思社]
自らウェアラブルセンサーを10年以上装着し続けて、「幸せは計ることができる」とまで言い切る著者による、世の中の仕組みをデータをベースに読み解いた、いわばテクノロジー時代の思想を解く哲学書。綿密なデータとロジックに裏打ちされた著者の発する言葉はもはや名言のオンパレード。「行動を起こした結果、幸せなのかが重要なのではない。行動を起こすこと自体が、人の幸せなのである」は白眉。
1970年鳥取県生まれ、国学院大学卒。英語通信教育会社勤務を経て、その後ニューヨークへ留学。
Radio Pacific Japan (Los Angeles ,CA)に勤務し、ネットとFMラジオのメディアミックスによる番組を制作。
その後、U.S. Japan Business News Inc. (New York)のマーケティング/セールスディレクターを経て、2000年にBusium Inc. をニューヨークに設立。2005年4月より、本社移転で東京に移り、ネットでの音声コンテンツ販売事業の担当役員を経て、同年11月末に同社退社。キャスタリア株式会社 を設立し、代表取締役就任。
「モバイル&ソーシャルラーニング」をコンセプトに、モバイルラーニングプラットフォーム『goocus pro』を開発し、企業や教育機関に提供。 また、2014年4月より、長野県を中心に教育事業を行う学校法人信学会とともに日本初のプログラミング(コード)を必修科目とした広域通信制高校「コードアカデミー高等学校」の学校設計にも協力。