No.136
株式会社すごい改善
代表取締役
吉田 拳さん
人が生きていくには「衣食住」を確保する必要があります。そのためには、お金を稼がなければなりません。よって、大人になったら人は仕事に就きます。従って、「仕事をする理由、働く理由は何か」と問われたときの最初の答えとして、「生活のため」というのは正しいことだと思っています。社会や人のためという回答は確かに美しいのですが、では給料をもらえなくてもその仕事をするか、と問われて「はい」と答えられる人は少ないはずですから、仕事をする理由は、まず「お金のため」でいいのです。でなければ、自分も家族も何も守ることができません。
それを認めたうえで、なぜ仕事をするか、そしてどのように仕事をするかを考えるという順序が自然な流れです。
私は自分で会社を経営していますが、その経営理念は、まず社員の物心ともに豊かな生活を守ること、次にそのための売上を作るために社会に貢献して感謝される努力をすることです。この理念…、大義や使命と言い換えてもいいのですが、それがあると「ただ金のために」働くのよりは、仕事に充実感が生まれ楽しくなってくるはずです。
そして、その理念に基づいて、どのように仕事をすれば成果につながり評価を得て、より充実感を持って楽しく仕事ができるか。
まず、仕事をして報酬をもらう以上は「プロ」であるべきです。プロとは何か。プロに必要な三つの要素は「再現力」「完結力」「想像力」の三つ。同じ成果を繰り返し出せる再現力、いかなる状況でも何とかして仕事を最後までやり抜く完結力、そして先を読む力である想像力。一緒に仕事をしていて「この人プロだな…」と尊敬できる人に共通する要素です。
なかでも、一つ目の要素である「再現力」を高めるためには、仕事における「型」を持つ必要があります。場当たり的に事に当たるのではなく、毎回決まった着眼点のもと同じ手法を駆使することで仕事の確度とスピードが上がります。そして、その「型」がなぜ重要か、なぜ有効かという「理由」も同時に明らかにしておくことで、仕事に対するさらなる確信と説得力を持つことができます。
そして最後に大事なのが「会社の数字」を理解していること。売上から原価を引いた粗利のなかから人件費とその他の販管費が賄われる構造を理解すれば、自ずと自分の給料を上げるにはどうしたらいいか、自分の勤めている会社が安定しているのかどうかがわかります。粗利率、労働分配率、一人当たりの経常利益といった数字を押さえることで経営者視点が養われ、結果、自分の会社への貢献が実感でき仕事が面白くなってくるのです。
株式会社すごい改善
代表取締役 / Excel研修講師
吉田 拳(よしだ・けん)さん
1975年愛知県生まれ。2000年東京外国語大学英米語学科卒。2010年に株式会社すごい改善を成立、代表取締役に就任。なぜか全国の企業から会社経営や業務システムの相談まで殺到する、銀座の小さなExcel専門のパソコン教室を経営。著書『たった1日で即戦力になるExcelの教科書』(技術評論社)が12万部を突破。日本のすべてのデスクワーカーがExcelマクロを当たり前のように使いこなす状態を実現することで、日本企業の生産性向上を通じて国益に資することを目指す。
【2016年3月インタビュー】
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