No.164
株式会社justInCase
代表取締役
畑 加寿也さん
人と違うユニークなことがしたい。そんな想いから立ち上げたのが、少額短期保険を扱うjustInCaseです。
高校の頃、自分は天才だと思っていて、数学者になるつもりでした。いざ京都大学に進学してみると、上には上がいることを知り、数学者の道を断念。それでも数字を扱う仕事がしたかったので、保険業界へ。保険数理コンサルティングの会社に入社し、保険業界のことを学びながら、計算漬けの日々。約3年勤務した後、一度証券会社へ転職し、また保険業界に戻るという変遷をたどるなか、次第に自分で新しい保険の会社を興したいと思うようになりました。
起業に先駆け、最初にやったのは「AIの活用で、ユーザーごとにリスク評価をして最適な保険料を決定するスマホ完結の保険」というビジネスモデルの特許を取ることでした。まだアイデアベースの頃、相談した先輩に「そのアイデア、特許を取ってみたら?」と言われ、さっそく特許庁に申請。ビジネスモデル自体の特許を取る、という前例がなかったので時間はかかりましたが申請は無事に通り、2016年12月に株式会社 justInCaseを設立しました。
設立から3カ月後の2017年3月に登録申請してから467日を要して、ようやく少額短期保険業者としての登録が完了。 日本初の完全なアプリベースでの保険事業の許認可だったため、想像していた以上に時間がかかりましたが、2018年7月1日、誰もが気軽に入れる少額保険アプリとして、スマホから簡単に入れる「ジャストインケース ※」をリリース。
「ジャストインケース」は、月に数百円の負担でスマホの破損や盗難などを補償するサービスで、AIがスマホを安全に使っているかの数値を算出し、安全スコアが高ければ更新保険料が割引になる仕組みです。一般の保険料が高くなる理由のひとつに、保険金詐欺や不正請求に対するリスク対応のため、というのがありますが、この部分も当社独自のAIアルゴリズムで防止し、適正価格として低額の保険料を実現しています。こうしたサービス提供が可能なのは、justInCaseがIT会社であり、システムもアプリもすべて内製できるから。この強みを活かし、今後は、さまざまな企業と連携してカスタマイズしたシステムや新しいサービスの提供なども行っていきたいです。
私自身、15年あまり保険に関わってきて、保険をもっと身近な「お守り」のような存在に変えられないだろうかと考えていました。ITがこれだけ進んでいるのだから、人から説明を受けなくても、小さい案件にスマホから自発的に入れるような気軽な保険があってもいいはず・・・その想いでここまでやってきました。幸い仲間にも恵まれ、誰もしたことのないユニークなことをする夢も叶い、これからさらに世界を視野に入れ、サービスを拡充させていきたいと思っています。
私にとって働くこととは人生を楽しくするもの。面倒なことや辛いことはたくさんありますが、ユニークな人生を歩んでいくためにも、仕事は楽しいメンバーと楽しくやっていきたいです。
※ 2018年7月1日以前は、「スマホ保険アプリ」の名称でテスト提供。
『ロンドン大火:歴史都市の再建』[大橋 竜太著 /原書房]
先輩に勧められた1冊です。
株株式会社 justInCase
代表取締役
畑 加寿也(はた かずや)さん
1981年生まれ、三重県出身。2004年 京都大学理学部卒。保険数理コンサルティング会社Millimanで保険数理に関するコンサルティングに従事後、国内外の投資銀行や再保険会社から、商品開発・リスク管理・ALM等のサービスを保険会社向けに提供。プログラミング: VBA / Swift / Python / Ruby。日本アクチュアリー会正会員。 米国アクチュアリー会準会員。2018年3月、フィンテックの登竜門FIBCの事業コンテストにて大賞を受賞。
【2018年7月インタビュー】
オデッセイコミュニケーションズが実施する資格試験、スキルアップにつながる各事業の最新情報をいち早くお届けするニュースレター(毎月1回配信)を配信しています。パソコンを使った毎日の仕事に役立つ情報としてお役立てください。
登録・購読無料ご登録はこちらから