No.169
株式会社リンクライブ
代表取締役社長
澤村 大輔さん
幼い頃から、「世の中に価値あることを生み出したい」と思ってきました。自分にしかできない価値を世の中に提供したいという想いを強く持っていたのを覚えています。
大学は法学部を専攻。一時期、将来の仕事に弁護士を考えたこともありましたが、あるきっかけに出会い「自分がやりたいことはビジネスだ」ということに気付きました。そこで、ITベンチャーでインターンをしながら、起業に向けてすぐ動くつもりでいました。ですが、インターン先の実務の現場で自身の実力不足を痛感。そこで、ビジネスの力の基盤を培うため野村総合研究所に経営コンサルタントとして新卒入社しました。
起業への意志は変わらなかったので、しばらくして退社。その後、紆余曲折を経て、現在運営している株式会社リンクライブを設立しました。実は、設立時点では「世界を突き動かすようなサービスを作りたい」という想いだけはありましたが、具体案も仲間もない状態でした。そこでまずは仲間を探すためにネットで検索したところ、そこで見つけたサイトで非常に優秀なエンジニアの書き込みをたまたま発見。話していくと、偶然にもその相手と自分は生年月日まで同一で(しかも元旦被り)、これは神様からの何かのメッセージだろうと思い、そのエンジニアと会社を設立しました。
最初にリリースしたのは、Webサイトに対するユーザーのリアルな声が把握できるサービス『鬼ツッコミ』。反響も大きくいただいたのですが、「集めた声を元に、コンサルティング支援をして欲しい」というご要望を多くいただき、どうしてもコンサル色の強いものになってしまっていました。コンサルティングサービスのように、ある特定のお客様に価値を提供することも非常に意義があるのですが、自分としては「世界を突き動かすサービスを作りたい」という想いが強く、世界中のより広い範囲に影響を与えられる可能性のあるWebサービスをどうしても手掛けたいと思い、社内で改めてアイデア出しを実施しました。最終的にアイデアは120個出ましたが、検証の結果すべてボツに。この時やりとりした社内情報は、流行っていたビジネスチャットツールで共有していたのですが、過去に話した内容を見返したいときの使い勝手が悪く、「共有した情報が流れていってしまうのではなく、必要な情報がすぐ見られるようにストックされたら良いのに」と仲間と話していく中で、「それだ!」と気付きました。机上でアイデアを出してもダメでしたが、ビジネスアイデアは、ふとした日常の中からポロリと出てきました。それが、情報共有サービス『Stock』の生まれた瞬間です。
2018年4月に正式リリースした『Stock』は、チームの情報を最も簡単に残せるツールです。ITの専門知識がなくても迷うことなく使える点が特徴で、導入先の学習塾さんでは、ITに詳しくない65歳の方でも、何の説明もなくすぐに使いこなせる程シンプルなプロダクトです。これまで広告費は1円たりとも使っていませんが、正式リリースから約半年で、口コミだけで様々な業種の8,300社に『Stock』を導入していただいています。この事実が、“世の中に必要とされているサービスなんだ ”という実感と自信につながっています。現在は、日本中はもちろん、世界中のあらゆる国のビジネスシーンに『Stock』が浸透するよう、日々プロダクトをブラッシュアップしている状況です。
私にとって働くこととは、自分にしかできない価値を生み出すこと。自分が生まれていない世界線と自分が生まれた世界線との差分こそが、自分が世の中に価値を創出できた部分だと思っています。その差分を広げていくためにも、心からやりたいと思えるこの仕事に全力で取り組み、世の中に価値を生み出していきたいと思います。
『逆説のスタートアップ思考』[馬田 隆明 著 / 中央公論新社]
自分たちがまさに今何をすべきかが書かれていて、とても勉強になりました。
株式会社リンクライブ
代表取締役社長
澤村 大輔(さわむら だいすけ)さん
1986年東京生まれ。早稲田大学(法学部)卒業。2009年、野村総合研究所(NRI)に経営コンサルタントとして入社。消費財・サービス産業などのB to C事業領域を中心に、国内大手企業に対する事業戦略立案・新規事業策定などのプロジェクトを中心に従事。同社を退職後、自らWebサービスを運営するとともに、Web/決済業界を中心とした戦略コンサルティングに従事。2014年、株式会社リンクライブを設立。代表取締役に就任。
【2018年12月インタビュー】
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