青年海外協力隊、外資系コンサル(マッキンゼー・アンド・カンパニー)、そしてNPOの立ち上げ。私のこれまでのキャリアは、普通の人から見たら理解不能な面もあるかもしれません。しかし、自分にとっては己の情熱を体現するための、まっすぐな道をたどってきたと思っています。
実は、私は幼い頃から教師になりたいと思っていました。それは、「人に影響を与える仕事」に興味があったからです。さらに突き詰めると、「人の人生の選択を鼓舞するような仕事に就きたい」と考えていました。大学では社会学を専攻しましたが、いろいろな国の価値観を知って視野を広げるため、青年海外協力隊に参加。中東シリアで1年半働くなかで、ビジネスと社会貢献という2つの世界を繋ぐことで新しい価値が生まれるのではないか、という現在取り組んでいる事業の構想に至りました。ただ、そうした事業を実現するには、まずは自分がビジネススキルを身に付けなければならないと思い、帰国後にはビジネスの道に進みました。
協力隊時代に一緒に仕事をしていたドイツ人コンサルタントの上司から、「短期間でビジネスを学びたいのならコンサルティング会社が最適」とアドバイスされ、勧められるままにマッキンゼーに入社。会社では、異なる価値観とぶつかり合いながら、互いの正しいと思う着地点を追究していくことや、ビジネスの最前線で“限界まで働く”ということを実地で学びました。そして、アメリカ赴任中に「プロボノ」(※)という概念に出会い、これを発展させる形で、日本の大企業を巻き込んで新たな取り組みを実践したいと考えました。既存の組織や国境、さらには価値観の枠を超え、異なる文化のなかに長期間滞在して、地域に入りこむことでしか得られない“原体験”をしてもらいたい、との想いで生まれたのが「留職」というスタイルです。「留職」は、新興国に最低1カ月以上滞在して、本業のスキルを社会課題の解決に役立てるための業務を行います。体験者からは、自身のスキルが人や地域のために役立つことを肌で感じ、大きな自信を得たとの声も届いています。また、新興国の市場を肌感覚で理解し、現地のニーズに応えた製品・サービスを提供したいという企業さんからも、高い関心を頂いております。
これまで自分が歩んできた道で、数々のヒントを得てたどりついた「留職」。これを世に広めるため、2011年5月にクロスフィールズを設立しました。前社を退職したのは、奇しくも東日本大震災の当日。それでも気持ちに揺らぎはありませんでした。若造と呼ばれる年齢での起業は、周りからのサポートも得やすいですし、何より自分の「情熱」が、組織で働くうちに失われてしまうのが怖かった。3年後に起業するのでは遅いと思ったんです。
目標は、2020年に「留職者」を年間2,000人派遣すること。いつか青年海外協力隊を超えたいという意気込みをもって、日々走り回っています。私にとって働くことは、「自らの情熱・想いを体現すること」。多くの日本人がこんなふうに働くことを定義したら、これからの日本社会は大きく変わっていくと信じています。
※ プロボノ(Pro bono):
各分野の専門家が、職業上持っている知識・スキルや経験を活かして社会貢献するボランティア活動全般。また、それに参加する専門家自身。(出典・Wikipedia)
はい。学生時代を含めたとしても、今がこれまでの人生で最も楽しいと思っています。
子供の頃からずっと野球をやっていたので、プロ野球チームの経営とかをしてみたいです。
人が成長する瞬間を目の当たりにしたとき。誰かがこれまで解けなかったある課題をクリアして、自分の成長を実感するような瞬間に立ち会うと、鳥肌が立つほど感動します。
家族、仲間。
教師。社会科の教職免許も持っています。
普通の子供がしていないようなことを体験させたいです。あと、スポーツはしてほしいです。
コンサルタントになってからは、仕事をする上ではなくてはならない相棒のようなものです。
Officeアプリケーションで言うと、特にPowerPointが欠かせません。
諦めないこと。
読書。普段読みたいと思いつつ、なかなかまとまった時間が取れないので…。
『選択の科学』 [ シーナ・アイエンガー著 /文藝春秋 ]
心理学の本で、人が選択をしていくことについて科学的に説明している本。
少し前にアメリカに行く飛行機のなかで読みましたが、事業を経営する上でも、かなり役立っています。