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リレーエッセイ Vol.109 加藤 たけしさん:「好きこそものの上手なれ」を実践し、「一人じゃできないことをみんなでやる」こと

普及してきた新しいワークスタイル

2011年3月11日の東日本大震災は、ビジネスパーソンや会社のあり方というものを見直すきっかけとなりました。これまでは、オフィスに集う働き方が当たり前。社員が仕事をするための機能を一カ所に集中させ、そこに全員が集うことで業務を効率化し、経費を削減するスタイルが主流でした。しかし震災後は、クラウドやノートPC、IT機器を活用することによって、より自由な働き方を認める企業も増えてきています。
内閣府と連携した復興支援プロジェクト『助けあいジャパン』(現在は公益社団法人)は、実は弊社ループスのオフィスから発足したもの。「現地から届いた避難所の最新情報を、一刻も早く提供する」という共通の想いのもと、IT系の大企業を中心としたプロジェクトチームが結成され、震災直後の三連休を返上して作業し、サイトをオープンさせることができました。それぞれ別の場所にいながら、組織や会社の壁を越えて、志に対して人が集い、共感で人が動く--。当時は、そんなことを考える余裕もありませんでしたが、これからの新しいワークスタイルを予感させるものだったと思っています。

滅私奉公ではなく、「好きこそものの上手なれ」

これからの新しい働き方において、最も大切になるものは何か?それは、「その人が本当に好きで熱中できること」に取り組めているかどうか、ではないでしょうか。好きなことに熱中して仕事に取り組めば、それはお客様の感動につながっていきます。それが結果として売上となり、利益が生まれてみんなが喜ぶ。滅私奉公ではなく、関わったすべての人がハッピーに、かつ継続的に成長していく。そのためには、「好きこそものの上手なれ」がベースになることが重要なのです。
リーマン・ショック、そして東日本大震災が契機となり、私たちの働き方は少しずつ変わってきました。滅私奉公を卒業することが、日本企業が再び飛躍する鍵になるのかもしれません。時代の流れに沿った新しい働き方をしっかりと意識し、「好きこそものの上手なれ」を実践することが、働く個人のより豊かな生活、そして活力にあふれた社会につながっていくはずだと強く信じています。

課題先進国ニッポンの将来を担う私たちだからこそ…

もしかしたら、「働く」ということは一人でもできることなのかもしれません。ある程度の稼ぎを得て生きていくことも可能でしょう。しかしながら、私たちがいま住んでいる日本は、環境問題や少子化、高齢化、地域の過疎化、エネルギー供給問題など、他国がまだ直面していないレベルの問題を多く抱える課題先進国。他国をモデルとして参照することは難しいですが、それをいかに解決し、乗り越えていくかというプロセスは、後に諸外国のモデルとなり得るものです。
大きなビジョンの実現は、一人だけではできません。一社だけでもできません。いままさに、世界的にとても重要なポジションを担っている私たちが、組織や会社の枠を超えて協力し合うことが必要なのだと思います。

「一人じゃできないこと、みんなでやる」。
これが、私が座右の銘にしている言葉であり、私にとっての「仕事とは?働くこととは?」に対する答えです。

仕事にまつわる10問アンケート

  1. 今の仕事が好きですか?

    好きです。仕事とプライベートの境目はかなり曖昧になっていますが(笑)、
    オンとオフではなく、「どちらもオン」、200%で日々を過ごしているつもりです。

  2. 一生困らないほどのお金が手に入ったら、仕事以外にやりたいことは?

    やりたいことは本当にたくさんありますし、一生困らないほどのお金が手に入らなくても、やりたいと思ったからには、多少無理をしてでも取り組むようにしています。
    いまの私が注力しているテーマは「NPOのマーケティング支援」ですが、コミュニティデザインや地域活性、キャリア教育などは今後も継続して取り組んでいきたいと思っています。

  3. 仕事で、“鳥肌が立つほど感動した”ことがありますか?
    それはどんなときですか?

    強みを組み合わせ、弱みを補い合いながら、個性を活かしてチームみんなで仕事に取り組めたときは、本当に感動します。

  4. 仕事より大切なものは?

    家族、仲間、健康…たくさんありますね(笑)
    一言で言えば、「自分の近くにいてくれる大切な人たちの幸せに関わるすべて」でしょうか。

  5. 子供の頃になりたかった職業は?

    塾の先生になりたかったです。
    特に算数の先生が好きで、何でも知っていて、すごく尊敬していました。

  6. あなたの子供に仕事のためにどのようなことを身につけさせたいですか?
    (※子供をお持ちでない方は、いると仮定してお答え願います)

    思考停止にならないこと。前提を疑い、自分の頭で考え、クリエイティブな解決策を見出していくこと。

  7. あなたの仕事にとってコンピュータとは?

    オフィスでも、お客様先でも、外出中でも、常に一緒。まさに、ビジネスにおけるパートナー。

  8. 仕事で成功するために、もっとも大切なことは?

    唯一不変なことは、「世の中は変化していく」という事実だけ。
    変化を恐れず、自分を磨き続けることこそが、もっとも大切なことだと思っています。

  9. 今、1時間だけ自由な時間があったら、何をしたいですか?

    読書です。本を読むことによって、人の人生を疑似体験することができます。こんなに幸せな時間は他にありません。

  10. 最近読んだ本で、仕事に役立ったのは?

    『寿命100歳以上の世界 20XX年、仕事・家族・社会はこう変わる』 [ソニア・アリソン著 /阪急コミュニケーションズ]
    私の人生設計の前提を覆してくれた本です。先日、30歳という人生の節目を迎えたばかりということもあり、自分の将来を見つめ直していたところだったのですが、まさに価値観を揺さぶられる1冊になりました。

【2014年1月インタビュー】

株式会社ループス・コミュニケーションズ
リサーチ・コンサルティング チーム コンサルタント
加藤 たけし(かとう・たけし)

【Profile】

1983年、東京都生まれ。2006年、慶應義塾義塾大学環境情報学部卒。
ジャスダック上場の人材紹介(転職支援)会社でキャリアコンサルタント、Webマーケティング、編集、新卒採用や新規事業立ち上げを経験した後、ITベンチャーを経てループス・コミュニケーションズへ。ソーシャルメディアのビジネス活用コンサルティングを手がけるとともに、ビジネスブログメディア「in the looop」編集部の一員でもある。
社会起業に対して資金提供と経営支援を行うソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(SVP東京)パートナー。日本最大規模の読書コミュニティ「読書朝食会リーラボ」発起人。夫婦でブログメディアを運営し、新しい働き方や最先端テクノロジーをテーマに情報発信している。

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「仕事・働くこと」をテーマとした各界で活躍する方々による「リレー★エッセイ」や、Microsoft Office Specialist(MOS試験)、IC3(アイシースリー)、VBAエキスパートなどのオデッセイ コミュニケーションズが実施する資格試験、スキルアップにつながる各事業の最新情報をいち早くお届けするニュースレター(毎月1回配信)を配信しています。
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