大学4年生の僕は、毎日まっくろな画面とホワイトボードを相手に睨めっこをしていました。人とのコミュニケーションよりもパソコンや数式と向き合っているのが楽しい、ただの理系オタク学生だった僕が、いまはベンチャー起業家としてこのような場所でエッセイを書かせてもらっています。起業家としてまだ成功しているわけではない未熟な僕ですが、それでもここまでの経験が、“誰かのヒントになれば・・・”と思い、筆を執らせていただきました。
僕のキャリアは、ただのオタク学生からはじまり、営業マン→外資系コンサルタント→公認会計士→専門学校講師→ベンチャー起業家と、一見めちゃくちゃに見えるかも知れませんが、いつも、「しごと=ゆめ-いま」という、たった一つの方程式だけを軸に、仕事を選んできました。
研究のことしか頭にない学生当時の「ゆめ」は、「科学者になってすごい発明をすること」でした。でも、ある日思ったんです。「自分の研究が世の中の役に立つのは、一体何年後で、誰がそれを成し遂げるんだろう?」と。
そんな疑問が頭のなかでどんどん大きくなり、僕はもう一度、僕の「ゆめ」について考えました。その結果、自分が本当にやりたかったことは、「すごい発明」ではなくて、「世の中の役に立つ発明」なんだと気づいたのです。そしてそれは、「新しいテクノロジー」ではなく、「新しいビジネス」を創ることのほうが近道なのではないかと思いました。
それが、僕が起業家を目指すキッカケでした。
学生時代の僕は、経営ノウハウはおろか、コミュニケーション能力やお金の知識すらない、まさにペーペーでした(笑)。しかし、起業家という「ゆめ」を設定してからは、そのギャップを埋めることだけを考えてきました。
新卒で入社した会社では法人営業を担当しましたが、もともと人との関わりが苦手だったこともあり、ストレスから通勤電車内で倒れるなど、精神的にギリギリでした。それでも自分が決めた「ゆめ」だけを支えに、がむしゃらに働き、1年目でトップの営業成績を残すことができました。こうして、コミュニケーション能力や営業力を克服したあとは、外資系コンサルティングファームに職を替え、日本を代表する大手企業の経営戦略を考えたり、プロジェクトマネジメントを学びました。また、公認会計士の試験にもチャレンジし、運もあってか1年目で合格できました。この間は、3時間睡眠で仕事と勉強だけに没頭しました。
そして、ひと通りギャップを埋めたと思えた(大学卒業から)7年後に、自身の会社「COLORFUL BOARD」を起業。ここまでに培ったすべての経験が、僕の大切な財産となっています。人生を掛けられる「ゆめ」を探すこと、そして「いま」とのギャップを見ることで、やるべき「しごと」は必ず見つかると思っています。
もちろん!!
たぶん、そのお金でやりたい仕事が増えると思います。
一人では成し得ない仕事を、仲間とともに達成できた時。
「ゆめ」です。
仕事は「ゆめ」を実現するプロセスであって、「ゆめ」なくしてはつまらない作業になってしまいます。
科学者です。ノーベル賞をとりたいと思っていました。
常識や周りの意見にとらわれず、自分の頭で考える力。
最強のライバル。コンピューター、特に人工知能の進歩は著しく、どんどん人間の脳に近づいています。人はコンピューターで代替できない価値を生み出していかないと、生き残れないでしょう。
思考の忍耐力。考えて、考え抜いて、考えが尽きてから、もう一度考えること。
最新技術に関する論文などを読みあさりたい。1時間では足りないか・・・(笑)
本は、自分に足りないスキルや知識が見つかった時点で、目的意識を持って読むようにしています。最近は足りないスキルや知識のインプットよりも、アウトプットに注力しているので、あまり読んでいないです。
2005年、慶應義塾大学理工学部卒。同年、株式会社フォーバル「アントレプレナー制度」に入社。1年目でトップ成績をおさめる。2007年、IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社(現・日本IBM)入社、戦略コンサルタントとして、大手企業の戦略立案、実行支援プロジェクトに従事。同社在籍中に公認会計士試験に合格。2011年、カラフル・ボード株式会社を設立、代表取締役CEOに就任。
2012年、三菱地所(日本創生ビレッジ)主催のビジネスコンテスト「EGG Japan Innovation Cruiser 2012」受賞。
2013年、週刊東洋経済の「新成長ビジネス100」に選出、伸び盛り100社として掲載される。
◎カラフル・ボードでは、「ゆめ」と「いま」が見えている人を応援したい、
一緒に仕事をしたいと考えています。