「財を遺すは下、事業を遺すは中、人を遺すは上なり。」
これは故後藤新平さんの遺された言葉だという。この言葉が、いつからか自分のなかでしっくりくるようになっていた。
小さな頃から私は、起業をしたかった。自分たちの足でこの地に立っているような感覚で仕事がしたかったのかもしれない。思い描いていた起業は、学生時代に真似事をすることで一度は叶いかけたが、その時は限界を感じ挫折で終わる。学生時代にやったことといえば、自分と同じような学生を集めて興行を行うことだった。時には千人単位で集客をして、企業のスポンサーを募り事業の真似事のようなことをしていたが、どうにもつまらない。スケールするイメージが湧かない。何のためにやっているかわからない。そんな悩みを誰かと共有することもできない。私にはその時、「未来」と「仲間」が足りなかったのだと思う。その後事業の勉強のために3年限定と決めて不動産デベロッパーへ就職。紆余曲折を経て、社会人生活3年弱が経った頃、中村真広と共に「場づくり」を生業とするツクルバを創業した。
「場づくり」を事業の中枢に置いたのは、「遺る仕事」がしたかったから。仲間と起業したのは、化学反応を期待したから。安定や儲けることだけではモチベーションが上がらなかったから。僕らが生み出した場で、人と人が出会ったり、新しい何かが生まれたり、成長する様子を見られたりすることに喜びを感じる。収益だけが目的じゃあ、つまらない。ツクルバでの仕事は、何よりも愉しい。ツクルバでの仕事を通じて、「人を遺す」ようなことを成したい。
はい。
資金があるなら、その分だけ投資をして、新たな仕事をする。産業を生み出すような仕事がしたい。
仕事の成果が自分たちの想像を超えた時。
一緒にやっている仲間。
ゲームクリエイター。
自分自身で考える力。
人間の能力を増幅してくれる装置。
勝つまでやることと、勝つようにやること。
寝る(笑)。
1985年東京都生まれ。立教大学社会学部 産業関係学科(現・経営学部)卒業。在学中に、スコット・デイヴィス教授の研究室に所属。「場づくり」に関心があり、不動産デベロッパーの株式会社コスモスイニシア(旧・リクルートコスモス)に新卒入社したが、リーマンショックの影響を受け入社7カ月目でのリストラを経験。その後、株式会社ネクストにて、グループ会社のウェブサービスにおける企画・プロモーション・営業に一貫して従事。
2011年8月、株式会社ツクルバを共同創業し、渋谷のワークプレイス「co-ba」をオープン。ツクルバで多数のオフィス・飲食店などの空間プロデュースに携わる。趣味ブレイクダンス。