現職にたどり着くまで、リストラ、赤字決算、新卒内定取り消し、果ては役員の顧客を抱えての離反など、数々の艱難辛苦を乗り越えてきました。そこから学び得たすべてをバネに、自分の人生をかけての再出発は、徹底して“失敗しない”座組みを敷いてスタートを切りました。それが、クラウドワークスです。
大学までは演劇一筋で、どれほど社会が過酷なものか、経済の仕組みがどうなっているのかを知らなかったため、パイオニア、リードエグジビジョンジャパンでの経験でビジネスの基礎を学び、自分なりのスタイルも確立しました。その後、ドリコムに役員として参画し、上場を経験。ところが、一転して赤字による新卒内定の取り消し等に関わることとなり、起業の良い部分と悪い部分の双方を体験しました。そこで、今度は自ら舵を取って会社をやってみたいと考え起業。売上は順調に推移していましたが、お金を稼ぐことはできても、明確な未来へのビジョンを描けず、次第に大きな借金を抱えることに。そんな折、得意先を抱えて役員が独立し、気づくと何もかも失っていました。
絶望に打ちひしがれていたとき、ある得意先から仕事のお礼としてお歳暮が届きました。その、「ありがとう」の気持ちに、真っ暗だった世界に光が射したような心地がしました。これまでは、お金のため、自分の名誉のために仕事をしてきましたが、これからは誰かのために、何か喜んでもらえることをしたい。仕事を通して、自分が本当に欲しいのは「笑顔」なんだということを確信した瞬間でした。
その後立ち上げたクラウドワークスは、21世紀の働き方のスタンダードとなるべく、クラウドソーシングを軸に築きあげたサービスです。これまでは、仕事の上では「会社」が信頼の器でしたが、当社では、「個人」の信頼のインフラを確立していきたいと考えています。そのため、100年先の社会変化も見据えたうえで自分がいまどう動くかを考えています。
「志有る者は事ついに成る」。これは、『後漢書』にある光武帝の言葉です。志があればいつか達成できるという意味ですが、辛かった時、いつもこの言葉を励みにしてきました。そして、最終的にたどり着いた私にとっての仕事の軸は「笑顔」。クラウドワークスを通じて、現在、身の回りにいる人々の笑顔はもとより、ずっと先の未来においても人々に笑顔をもたらす、そんな社会インフラとしてのサービスに育てていきたいと思っています。
はい、大好きです。
後輩の経営者育成を手掛けてみたい。
クラウドワークス2周年記念のユーザー交流会を開催したときに、普段会う機会のない登録いただいているワーカーの方たちと顔を合わせて話せたのは感慨ひとしおでした。直接、「こういうサービスを作ってくれてありがとう」という言葉をもらえたときは本当に嬉しかったです。
家族と仲間。要するに、大切なのは「人」です。
地元の裏山で化石が採れていたこともあって、幼稚園の時は考古学者。
そして、小学校の朗読コンクールで演技を褒められた経験から、役者になりたいと思っていました。
英語力とプログラミングスキル。
あとは、社会の仕組み(お金の仕組みや厳しさ)を学生のうちに学んでおくこと。
世界を変えるための手段。
ユーザーに対する集中力。ユーザー、一人ひとりのクレームにしっかり対応して習慣化しないこと。
水泳をしたいですね。
『斉藤一人の絶対成功する千回の法則』 [ 斉藤一人 著/講談社 ]
今まで読んだ経営者の本のなかで、一番気楽に読める。
最も苦しかった2007年頃に何度も読んだ本で、今でも時折読み返します。
1974年兵庫県生まれ。東京学芸大学卒業後、パイオニア、リードエグジビジョンジャパンなどを経て、ドリコム執行役員として東証マザーズ上場を経験した後に独立。事業をベトナムへ展開し、日本と海外を行き来する中でWebを活用した時間や場所にこだわらない働き方に着目、2011年11月に株式会社クラウドワークスを創業。「21 世紀のワークスタイルを提供する」をミッションに事業を展開するクラウドソーシングサービス『クラウドワークス』の登録会員は20万人に達し、利用企業は36,000社にのぼる。
著書に『クラウドソーシングでビジネスはこう変わる(ダイヤモンド社)』、『世界の働き方を変えよう(総合法令出版)』がある。