最近、キャリアとか働く意義といった内容の講演会がよくありますが、私はピンと来ていません。
そんなものを考える必要、狙っていく必要はないからです。先を考えすぎて一歩も前に進んでいる気がしないという人は、キャリア論にダマされているにすぎません。「働くことは生きること」なのですから、その是々非々を議論してもしょうがないのです。
人は誰でも「役に立ちたい」と思っているものです。そこまでいかなくても、「大事な人と思われたい」と願っているものです。本人が意識しているかどうかは別として、「私は価値がある人間だ」と思いたいのは当然です。でも、それを破壊することはよく起きます。一生懸命仕事をすると、
「見下されたり」
「理不尽に扱われたり」
「難題を押し付けられたり」
するものです。それによって、「私は何て“イケてない”のだ」と自己否定、自己嫌悪に陥る人もいるかもしれません。
ハッキリ言いましょう。その思考はまったくムダです。必要ないのです。自分で自分をダメだと思うことで、誰が得をするのでしょうか。でも、そんな思考に陥ってしまう人が多いのも現実です。では、そんな思考に陥らない方法とは何か。
それは、「目の前の仕事の成果を高めることに集中する」ことです。
自分の性格とか相手との関係とか失敗とか、そんなものは置いておいて、まずは、その仕事がどんな成果を生み出したか、と考えるのです。すると、どんどん視野が広がってきて、仕事の質を高め続けようという行動が導き出されるものです。そして、目の前の仕事の質を高め続けようと行動していると、その行動自体に「自分らしさ」が付加されていきます。すると、周りに「感謝されたり」「あなたらしいね」と褒められたりします。どんどん自信が湧いてきます。その結果、単純な(興味もあまりない)仕事と思えた“目の前の仕事”自体が、輝いたものに見えはじめます。それを続けていくと、使命感が芽生えます。
それが天命・天職というものです。
天職を見つけることは、自分が生まれてきた理由を見つけることに他なりません。でもそれは、目の前の仕事のなかに眠っているのです。どこか外にあるものではないのです。
私の著書『絶対に達成する技術』(KADOKAWA)のあとがきに書いてある文章を引用して、このコラムの締めとします。
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「あるところに、人のために何かをして喜ばれることが大好きな子どもがいました。彼は大人になりウェイターの仕事に就きました。最初は自分の仕事を、単なる“注文を取って料理を運ぶ係”と考えていましたが、仕事を一生懸命やっていくにつれ、“お客さまに喜んでもらうためのサービス係”ということに気づきます。
そして最後には、“お客さまの大切な時間を演出する影のプロデューサー”であるところまで仕事の質が高まります。これは子どもの頃の夢が叶う瞬間でもあります。そのとき、「ああ、自分の使命はこれだったんだな」と気づき、ウェイターという仕事に誇りを感じるのです。」
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はい
私立学校(塾)経営
自分で考案した教育ITシステムが日米で特許を取った瞬間
家族との時間
発明家
時間を守ること
道具
お客さまとの信頼
教育ついてのディスカッション
NPO法人 人材育成マネジメント研究会 理事長
1966年静岡県生まれ。人材育成系ITシステムで日・米で特許取得し、米国O-1ビザ(卓越能力保持者ビザ)取得。心理学や行動科学の知見をベースに日立グループ、三菱東京UFJ銀行、楽天といった企業の人材育成で「目標達成のための行動習慣化プログラム」を提供する。大学や高校、中学校においてキャリア教育も実践。ケータイ活用教育のパイオニア。タブレットをすべての小学生に配布した佐賀県武雄市においてICT利活用教育推進アドバイザーも務める。著書に、『絶対に達成する技術』(KADOKAWA)がある。