No.128
株式会社サイカ
代表取締役 CEO
平尾 喜昭さん
小さい頃からずっとミュージシャンを目指し、すべて音楽のために行動してきました。そんななか、音楽で世界を目指すなら、文化・歴史をはじめ、政治や経済のバックグラウンド、マネジメントのことも学ばなければと思い、慶應義塾大学の総合政策学部に入学。そこで「統計分析」と出会い、衝撃が走りました。それは、その後の自分の人生を大きく変えてしまうほどで、それがいまの株式会社サイカの起点になっています。
大学卒業直前に統計分析コンサルティング会社としてサイカを立ち上げ、しばらくはミュージシャンと二束のわらじでした。10年ほどやってきたミュージシャンを辞めて、サイカ一本に絞ると決意したのは、自身のバンドに韓国のエージェントがついて全国区のテレビやラジオへの出演も果たした、まさに絶好調のとき。苦渋の決断でしたが、どちらも本気でやっていたから、二束のわらじでは両方に失礼だと思い音楽のほうを封印しました。
そもそも、自分のなかには「この世にあるどうしようもない悲しみ」を何とかしたいという想いがずっとあります。その想いは父親の勤務先の倒産に起因しています。大きな会社でしたが、社長の“天性の勘”に頼った経営に無理が出て多くの人を不幸にしてしまった。もし、その時、「統計分析」が身近にあって、きちんとしたデータで判断していたら、そうした不幸は防げたのではないか・・・。だから、大学で「統計分析」を知ったとき、目からウロコが落ちる思いでした。“悲しみを起こさないためにも、統計の活用を!”と考え、それを多くの人に広めていくため現在のサービスをはじめました。
専門知識のない人でも簡単に使える統計ツール「adelie(アデリー)」は、これまで紡いできた人脈や優秀なエンジニアとの偶然の出会いによってこの世に生まれました。各人が支えあって「0」から「1」を生みだすクリエイティブなこの仕事は、音楽をやっていた頃と大きな違いはないと感じています。今秋には、営業活動に特化した統計ツール「Rockhopper(ロックホッパー)」もリリース予定で、いずれは世界で勝負できるよう準備を進めているところです。
私にとって仕事とは、自分が感じたり積み重ねてきたコトをリアルな形として実現すること。そのためにも、日々感じ取る力を以て、人間としての節目を大切にしていきたいと思っています。節の少ない竹は成長が早いが、風が吹くと折れやすい。節の多い竹は成長こそ遅いものの、風が吹いてもしなって折れない強さがある。良いことも悪いことも、自分の人生の節の一部として刻んでいけば、どんな嵐もやり過ごせるはず。仕事も生き様も、そのように強くしなやかでありたいと思っています。
株式会社サイカ
代表取締役 CEO
平尾 喜昭(ひらお・よしあき)さん
幼少時の父親の勤務先の倒産にまつわる体験に加え、大学在学中に計量経済学を学んだことをきっかけに、統計分析という手法を企業経営に活用できる可能性を感じ、大学卒業直前の2012年2月に、「統計分析コンサルティング」を生業とする株式会社サイカを設立。
【2015年7月インタビュー】
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