No.145
株式会社KUFU
プロダクトマネージャー
副島 智子さん
「世の中はIT化が進んでいるのに、なぜ年末調整は未だに手書きで煩雑なやりとりのままなのだろう…」。
全国に支社がある企業の場合は、従業員分の年末調整の用紙を印刷して、各支社へ送付。返送された書類にミスがあれば、その都度連絡をとって確認。そして、書類が揃ったら、すべての情報をExcelに入力…。年末調整は時間もコストも非常にかかる作業です。以前、全国に店舗を持つ飲食チェーン企業で人事労務の仕事をしていた私は、この年末調整の煩雑さを何とかしたいと考えていました。そんな折、政府が社会保険関係のAPI(※)を公開。これによって、社会保険や雇用保険の書類を電子申請できるプロダクトを各企業が自社で組めるようになったので、私もこれを活用した事業を起こそうと思っていました。その1年後の2015年、KUFUが社会保険や雇用保険などの労務手続きを自動化するクラウド労務ソフト『SmartHR』をリリース。これが、「TechCrunch Tokyo 2015」のスタートアップバトルで最優秀賞を受賞したニュースを知り、自分のやりたかったことをすでにやっている会社があるのか…と、一度は諦めかけました。しかし、“自分にも何かできることはあるのでは?”と思い直し、KUFUの代表にコンタクトをとって自分の熱意を伝え、2016年の3月からKUFUに参加しました。
入社後は、これまでベンチャー企業や飲食チェーン企業、数千人規模の外資系製薬会社など、さまざまな規模や業種の会社で人事労務を行ってきた経験を活かし、自分のなかでずっと温めてきた「年末調整をわかりやすくIT化」するため、KUFUのエンジニアたちとプロダクトの開発を開始。そして、2016年の10月に『ペーパーレス年末調整機能』をリリースしました。
この機能は、人事労務担当者が従業員を『SmartHR』の年末調整入力画面に招待し、従業員はパソコンやスマホから簡単な質問に答えていくだけで申請内容がデータ化され、年末調整が終わるというもの。冒頭で触れたように、人事労務担当者は年末調整の時期には多忙を極めます。また、年末調整の書類にはわかりにくい言葉が多く、「よくわからない」という理由から正しい申告が行なわれずに損をしている人もいます。「そんな状況はおかしい」と思っていたので、年末調整に関する知識がなくても、損することなく、払いすぎた所得税の還付が受けられる。すべての人に等しくその機会が与えられるよう、「ペーパーレス年末調整機能」を多くの人に使ってもらうべく、日々奮闘しています。
私にとって「働くこと」というのは、一言で表わすと「生きがい」。これまで、さまざまな会社でいろいろな経験を積ませてもらったので、その経験が誰かのために役立てられるのであれば、何よりも仕事に活かしていきたいです。
※API(Application Programming Interface):データを外部のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた規約
株式会社KUFU
プロダクトマネージャー
副島 智子(そえじま・ともこ)さん
20人未満のIT系ベンチャーや数千人規模の製薬会社など、さまざまな規模・業種の会社で給与計算・社会保険手続きの経験を持つ。前職のEC系スタートアップでは、経営管理の役員も経験。電子政府APIを利用した労務系サービスの立ち上げに興味を持っていたが、「TechCrunch Tokyo 2015」でクラウド労務ソフト『SmartHR』の存在を知り、2016年3月にKUFUに入社。プロダクトマネージャーとして製品開発を担当している。
【2016年12月インタビュー】
オデッセイコミュニケーションズが実施する資格試験、スキルアップにつながる各事業の最新情報をいち早くお届けするニュースレター(毎月1回配信)を配信しています。パソコンを使った毎日の仕事に役立つ情報としてお役立てください。
登録・購読無料ご登録はこちらから