No.148
株式会社エアークローゼット
代表取締役CEO
天沼 聰さん
自分が将来どうなりたいか、そのためにどんな経験を積んでいくべきかの道筋を考えて、これまでのキャリアを形成してきました。
自分で会社を興して経営者になることは学生の頃から心に決めていたので、まずは社会に出て、“起業に必要な基本スキルを総合的に身につけられるだろう”という考えのもと、アビームコンサルティングに入社。9年勤めた後、さらに起業に向けて足りていない3つの経験を積むため、楽天への転職を決めました。その3つとは、「1. グローバルな仕事の経験」「2. 多種多様な仲間と一緒に仕事をする経験」「3. 一から組織を作る経験」でした。コンサルティング業界は、ある意味同じタイプの人間の集まりなので、もっと多様な人たちと一緒に組織を作っていく経験をしてみないと、起業の根幹は掴めないと感じていたので、楽天の海外事業において新しいグループの立ち上げに携わるのはまさにうってつけでした。
2014年にいよいよ起業、ということになり、志を同じくする仲間3人でビジネスモデルを100以上出し合って精査していきました。最終的に4~5案は事業計画書を作り、「ネットビジネス」「シェアリングエコノミー」「一過性の流行で終わらない、ライフスタイルを支えるサービス」という観点から絞り込んだ結果、オンライン・ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」をスタート。2周年を迎えた現在は、登録者数10万人を超え、20~50代まで幅広く反響をいただいています。
創業当初は、まったく異業種からの参入で、かつファッション業界の知識も友人もゼロからのスタートでしたから不安はありました。また、サービス開始前にはいろいろな人に話を聞きに行き、「上手くいかないと思う」という意見もいくつかありました。それでも、物事はやってもいないのに明確な答えを出せる人は100%いないので、まず踏みだして、やってみて失敗したら反省すればいい、というスーパーポジティブな考えからサービスをはじめ、今につながってきました。
今後は、ユーザーに「感動」を与えるサービスとして、より一層の磨きをかけていきたいと思います。ユーザーに「満足」してもらう、というのは要望を叶えれば満たされますが、それを超え、ユーザー自身も気づいていないような出会いや気づきを提供していくことこそ、感動を生みだすサービスだと考えています。
そんな私の働くうえでのポリシーは、全力で楽しむこと。自分にとって、働くことは人生の一部であり、そこだけを切り取って考えることは不可能です。自分が能動的に取り組み、楽しみながら深めていくことが仕事なので、その連なりがひいては人生そのものを豊かなものにしていくと思っています。
『生き方 ― 人間として一番大切なこと』[稲盛和夫 著/ サンマーク出版]
人生の中で「働く」ということを考えさせられ、心に響いた本。
株式会社エアークローゼット
代表取締役CEO
天沼 聰(あまぬま・さとし)さん
千葉県出身。ロンドン大学(ゴールドスミス・カレッジ)で経営/コンピューターを学び卒業・帰国。2003年にアビームコンサルティング株式会社に入社。教育系/官公庁系のIT・戦略コンサルタントを約10年にわたり経験。2011年に楽天株式会社に入社。UI/UXに特化したサポートグループを構築し、海外13拠点を取りまとめるWebのグローバルマネージャーを務める。
2014年7月、「発想とITで人々の日常に新しいワクワクを創造する」を理念に、株式会社エアークローゼットを創業。新感覚オンライン・ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」を開始する。
【2017年3月インタビュー】
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