No.150
株式会社サマリー
代表取締役
山本 憲資さん
「やっている仕事が、一番の名刺になる」。
その助言が、そもそも起業するつもりがなかった私の背中を押しました。
就活では、雑誌編集という仕事に興味があったのですが、志望する会社での新卒採用がありませんでした。それならば、いろいろな人と仕事ができる職業を選ぼうと考え、コンサルや広告を中心に回り、電通に新卒入社。電通では2年勤めましたが、やりがいは感じつつもなかなか将来像が描けず、真にやりたいことをもっと熱中してやってみたいと思うようになっていきました。そんな折、新卒採用をしていなかったコンデナスト・ジャパンで、『GQ JAPAN』の編集職の中途募集があったため応募したところ、働かせてもらえることになりました。
コンデナストでは、大きな企画の担当となり、さまざまな特集を編集することができたので、日々のめり込んで働いていました。でも、どんなに会心の出来の企画を展開しても思うように雑誌が売れない。やりたかった仕事を熱中してやれているのに成果が出ない、人に届かない・・・。自分の力不足ではあるものの、次第に無力感に苛まれるようになっていきました。そこで、“自分が良いと感じたモノや情報を、より多くの人に伝え共有したい”という望みを叶えるため、Webでの情報発信としてSumally のアイデア(※)を思いつき、周りの人たちに相談してみたところ、「自分でやったほうがいい」という意見が大半でした。そのなかでの「やっている仕事が、君にとって一番の名刺になる」という言葉が、すんなりと自分のなかに落ち、2010年4月にSumallyを設立しました。
2011年にリリースした「Sumally(サマリー)」は、モノを通じてセンスや価値観を共有できる人たちがつながるSNSサービスとして、現在のユーザーは約80万人、登録アイテム数は200万点以上になりました。また、寺田倉庫さんと一緒に何かできないかと考え、2015年に、低コスト高クオリティのストレージサービス「サマリーポケット」もスタート。20代~50代の幅広い世代にご利用いただいており、90%以上の満足度という高評価を得ています。どちらも、これからさらに認知度を高め、多くの人に使ってもらえるよう、日々コツコツとWeb上の改善を積み重ね、いずれ、“爆発的に広がった!”と実感できることがひとつのゴールだと考えています。
私にとって働くことは、生きること。人生において時間は有限なので、やりたいことに自分の時間を使いたい。いまは、共感者同士がコミュニケーションできる、ある種の新しいメディアとしてSumally というビジネスを発展させることがやりたいことなので、営業も雑用も何でもやっていますが、会社勤めの頃より充実していて、苦しくも楽しいのが「自分の名刺」を得たということなのだと思っています。
※ Web上で発信されたモノや情報=「センス」に共感するユーザーを集めて、モノや人との出会いつくるSNSサービス。
株式会社サマリー
代表取締役
山本 憲資(やまもと・けんすけ)さん
1981年生まれ。一橋大学(商学部)卒業後、電通に入社。その後、コンデナスト・ジャパン社に転職し、雑誌『GQ JAPAN』の編集者に。テック系からライフスタイル、ファッションまで幅広いジャンルの企画を担当。2009年9月にコンデナストを退社して、2010年4月に「Sumally」を設立。2011年9月にモノのSNSサービス「サマリー」をローンチ。2015年9月に寺田倉庫と協業し運営する収納サービス「サマリーポケット」をスタート。
【2017年5月インタビュー】
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