No.151
株式会社スペイシー
代表取締役/CEO
内田 圭祐さん
世の中の役に立つことをしたり、役に立つ何かを作りたい、と思うようになったのは大学生になった頃でした。
卒業後は、ビジネスマンとしての基礎的な力をつけるため大手人材派遣会社に3年務め、その後1年ほど中米や国内を放浪。その旅のなかで、経済的な理由から十分な教育を受けられず、そのために生活を向上させることが困難な状況に陥っている、という人々を目の当たりにしました。こうした状況を知り、「教育を受ける機会を得られないことによる社会的貧困」という問題を何とかしたいと考えるように。2008年当初、YouTubeが普及しはじめたこともあり、“塾の講義などを動画で配信できれば、子どもたちは少ない費用で学べ、教育を受けられた結果、高賃金の仕事に就いたり、自ら事業を起こすなどして経済的な豊かさにつながっていくのではないか”と着想。そこから、教育動画の配信ビジネスをやりたいと考えるようになりました。
そこでまずは、Webサービスを開発するスキルや知識を会得するためWeb制作会社へ就職して、起業する準備を整えていきました。そんななか、当時、社会的に注目を集めはじめていた住宅用太陽光発電の一括見積りサイトを構築し、2009年に株式会社アイデアマンを起業。この起業は、いずれ教育動画サービスを立ち上げる資金捻出の意図もありました。再生可能エネルギーに対する世間の関心の高さとともに業績は急拡大しましたが、その一方で、多くの競合サービスが出てきたことで業績が陰りはじめ、最終的には30人いたスタッフを4人まで減らすことに・・・。その結果、借りていたオフィスに空きスペースができ、「このスペースを何か有効活用できれば」と苦しみながら考えたことが、現在のスペイシーの発想につながっています。
その後、太陽光発電の一括見積りサービスは上場企業へ事業譲渡し、2つめの起業となる「会議室や遊休スペースをリーズナブルで簡単に貸し借りできるWebサービス、スペイシー」を運営する株式会社スペイシーを2013年に設立。現在では、貸会議室の登録数は東京を中心に約2,000室、利用者数は80万人を超えました。最大の特長は、スペースの利用料金の安さ。使われていない、“遊休”のスペースを有効活用することで実現できた料金は、若手実業家の支援にもなっています。会議など必要な時だけにスペースを安く借りてオフィス費用を節約することで、抑えたコストからサービスを安く提供でき、安さによってそのサービスを使う人が増え、ビジネスが成り立っていく、という事例もあります。スペイシーを利用した結果、やりたいビジネスができるようになった・・・、そんな可能性の広がりにつなげていくためのお手伝いができればと思っています。
働くことを通じて、何かしら社会に貢献して周りの人々を幸せにしていけること。これが私の働く意義です。「社会から貧困をなくす」というヴィジョンは、一人ひとりが幸せに暮らしていくためのひとつの方向として標榜し続け、世の中の誰もが、「自分には価値がある」と思える世界にするためにもコツコツと変革を起こしていきたいと思っています。
株式会社スペイシー
代表取締役/CEO
内田 圭祐(うちだ・けいすけ)さん
1980年生まれ。関西学院大学(総合政策学部)卒業。2004年に入社した株式会社リクルートスタッフィングにて法人営業を担当。退社後、2009年に株式会社アイデアマンを設立。太陽光発電に関する「一括見積りサービス」事業を成長させた後に、上場企業に売却。2013年10月、株式会社スペイシーを設立。2017年3月、総額2億円の第三者割当増資を実施。
【2017年6月インタビュー】
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