No.157
Emotion Intelligence株式会社
代表取締役
太田 麻未さん
就職活動で第一志望の会社に落ちたあの日、まさか自分が代表取締役社長になる日がくるなんて思いもしませんでした。
学生時代はリクルートに入るつもりで動き、早くから人事の方とお話する機会もありました。ところが、思いもかけず一次面接で終了。当時は腑に落ちず、とても悔しく思いました。その後、楽天に内定し、ご縁を感じて入社しました。4年ほどエンジニアやディレクター職に従事、ひとつのプロダクトに区切りがつき、次のステージに進みたいと考えていたタイミングでリクルートの方からお声がけいただき、やはり面白い仕事ができそうだと感じて転職しました。
かつて入社したかった会社で働きだしたものの、結局は1年で退社。もちろんリクルートでの仕事も非常に楽しく、しばらくは転職しないつもりでしたが、現社のメンバーと会って話す機会があり、人工知能などの新しい技術をビジネスに活かすサービス(『ZenClerk(ゼンクラーク)』※)がとても興味深く、ベンチャーに挑戦するなら若いうちがいいと考えて再び転職。入社当初は営業に携わっていましたが、1年半ぐらい経った頃に会社の体制変更があり、前代表が退任することに。それを受け、株主から「次の代表に」と打診されたときは、まさに青天の霹靂でした。実感の湧かないままに、いろいろ考えた結果、“自分には失うものは何もないから挑戦しよう!”と、腹をくくって代表になることを決めました。
2016年12月に代表取締役になってからは、とにかく激動の1年。正直、社会人になって最も失敗をしてきた1年だと思いますが、ここにきてようやく組織としての在り方・考え方が整理され、メンバー達と一緒にルール作りをしながら会社の舵の取り方も少しずつ見えてきた気がします。株主や顧問の方たちに知恵を借り、悩みを相談しながら少しずつ代表としての在り方を学んでいるところですが、そういう意味では、大変学びの多い贅沢な1年だったとも思います。
スヌーピーの言葉に、「配られたカードで勝負するしかない」というものがあり、今の私の心境にぴったり重なります。手札にないカードを羨んでも仕方ないので、これからより一層サービスを磨いていくためにも、カードの活かし方をフル稼働で考えていくことが大切だと思っています。
現在、約700社に導入いただいている『ZenClerk(ゼンクラーク)』は、ブラウザ上のユーザーの「購買意欲」に着目した点が他にはない強みで、AIが検知したECサイトの画面上で購入を迷っているユーザーを後押しするかたちでクーポンが配布されます。この、ユーザー行動の解析で得た「意欲&関心のデータ」は多角的な活用が可能なので、今後は、在庫管理と連動させて消費期限のある商品を売り切るスシステムなどさまざまなサービスの提供を通じて、クライアントのビジネスのお手伝いをしていければと考えています。
私にとって働くことは、「自己表現の手段」。小学生の頃から、世の中に大きな影響を及ぼしていきたいと思っていました。自分の役割・ポジションにこだわりはありませんが、社会にインパクトを与えられることにずっと携わっていきたいです。
※「ZenClerk(ゼンクラーク)」:感情特化型人工知能Emotion I/Oを活かし、ユーザーのマウスの動きやページ遷移情報などをリアルタイムで取得・解析。購入を迷っている瞬間を検知しクーポンによる最後の一押しを行うWeb接客ツール。
『 日本3.0 2020年の人生戦略 』[佐々木 紀彦著 / 幻冬舎 ]
仕事に直接役立つというものではないですが、2020年の日本がどうなっていくのか、経済や政治、歴史などさまざまな視点から描かれており、大変興味深かったです。つい目先のことでいっぱいいっぱいになってしまうことが多いですが、「数年先にどうなっていくのか? 自分はどうなりたいのか?」を考えていける人間になりたいです。
Emotion Intelligence株式会社
代表取締役
太田 麻未(おおた・あさみ)さん
1987年生まれ。2010年に早稲田大学卒業後、新卒で楽天株式会社に入社してECや決済領域での事業企画・開発などを経験。2014年に株式会社リクルートライフスタイルに転職。決済事業に関わる業務を、役職を超えて横断的に経験。2015年に機械学習・人工知能を用いて新しい価値を生み出すビジネスに惹かれ、Emotion Intelligence株式会社に参画。2016年12月に代表取締役に就任。
【2017年12月インタビュー】
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