No.172
株式会社恵学社
代表取締役
岡 健作さん
「第二言語習得研究」を軸にした塾と言われても、どんなものかよくわからないと思います。ですが、最も効率的な学びの手法で、目標に対して短期間で結果を出す塾、と聞けば興味が湧くかもしれません。
私が学習塾経営に至る道のりは、学生時代に4年間塾講師をやっていて教育の仕事に就きたいと思ったところからスタートしています。卒業後は、一度メーカーに営業職として就職し、営業やマーケティングを3年ほど学ばせていただきました。その後、再び学習塾で働くことになりましたが、営業時代に培った「もっとこうしたほうが集客できる」というマーケティングの視点が役立ち、その塾がはじまって以来の集客を達成。その塾で2番目の集客実績を誇る同僚と、「自分たちでやってみよう!」という話になり、起業を決意しました。そこに、元教え子で立命館大学の大学院で「第二言語習得研究」を研究しているメンバーも加わって、「第二言語習得研究」を主軸にした、難関校を目指す学習塾『烏丸学び舎(からすままなびや)』(※2020年4月からは別会社が運営)を2010年にスタートしました。
「第二言語習得研究」とは、母語以外の言葉を身につける仕組みやプロセスを、脳科学や心理学、言語学などのさまざまな視点から研究する学問。どう身につけるかがわかると、どういうトレーニングすればよいのかがエビデンスをもってわかってくる。だからこそ、無駄を省いた短期間での学習が可能になります。ただ、立ち上げ当初は、「第二言語習得研究」と言われても多くの人がピンとこない。塾の出だしは好調だとは言い難いものでしたが、短期間で偏差値が見違えるほど上がったなどといった具体的な成果に伴い認知度も上がり、半年後には生徒数も飛躍的に増えていきました。短期間の成績アップという点では、短期集中型の英語講座も好評で、受験英語以上に実践的な社会人向け英語トレーニングにより効果があると考え、2015年に英語のパーソナルジム「ENGLISH COMPANY」を設立。当時は、第二言語習得研究を用いたマンツーマン指導がなかったので、スタートと同時に大きな反響がありました。
「ENGLISH COMPANY」は、東京を中心に14教室を展開しており、これまで5,000人近くの卒業生がいます。ありがたいことに受講待ちの人数が500名を超える状況のため、グループレッスンやオンラインコースなども導入しはじめました。創業期は見向きもされなかった「第二言語習得研究」ですが、今では類似サービスも多く見受けられます。当社としては、しっかりとした学問に裏打ちされたメソッドに沿って、地道に成果を出してきた自信と誇りをもって「ENGLISH COMPANY」のファンを増やしていきたいと思っています。
勉強に近道はありません。根性論も効果がありません。ただ、変な回り道をせず、正しい方法を知りまっすぐな道を行ってほしい。それが、当社のコンセプト「Study Smart」に込められています。そんな私にとって、働くことはバリューを生んでいくこと。何かを新しく学びたい人、夢のためにスキルを身につけたい人たちが、軽やかに走り出せるような環境を創り価値あることを提供していくためにも、日々創意工夫を重ねています。
株式会社恵学社
代表取締役
岡 健作(おか けんさく)さん
1977年生まれ、福岡出身。同志社大学(文学部英文学科)在籍中から英語教育に関わる。大手学習塾の講師・教室長を経て、2010年に京都で恵学社を創業。
“ Study Smart ”(学びをもっと合理的でクールなものに)をコンセプトに、第二言語習得研究(SLA:Second Language Acquisition)などの科学的な知見を実際的な学びの場に落とし込んだ予備校「烏丸学び舎」(※2020年4月からは別会社が運営)を立ち上げる。予備校で培った英語指導ノウハウを活かした社会人向けの英語のパーソナルジムENGLISH COMPANYを2015年に設立。その他、学びやスキルアップにまつわるアプリ開発なども行っている。
【2019年3月インタビュー】
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