No.176
株式会社データミックス
代表取締役
堅田 洋資さん
私は22歳で大学を卒業してから、30歳までの8年間に4回職場を変えました。毎回、転職理由は明確にしていたつもりですが、その中身はバラバラです。外資系メーカーで経理とマーケティング、監査法人系のアドバイザリー会社で事業再生のコンサルタント、欧州系の高級ブランドで経理、ソフトウェア会社での経営企画といった具合です。どの仕事もそれなりに楽しく一生懸命取り組むものの、一方で、「なんか違う」という正体不明の違和感を持ち続けていました。
その後、私が30歳になった2012年に転機が訪れます。当時、海外でMBAを取得しようと願書を提出する直前になって、「なんか違う」の正体に気づきました。それは、『他人から評価されることを優先して進路を決めること』への違和感です。いざ1000万円近くのお金を使うとなって初めて気付きました。そこから、改めて自分が心からワクワクすることは何だろうかと考え直し、進路をMBAではなく大学時代に勉強していた「データサイエンス」という分野での留学に切り替えました。この決定がなければ、起業していなかったと思います。
留学中、日本のデータ・AIの利活用は遅れを取っていることに気づきました。例えば、留学していた当時のアメリカではIT系だけではなく、小売やメーカーまでデータサイエンティストを採用していました。言い換えれば、幅広い業界でデータ・AIの活用を開始していたということです。その一方、日本ではデータサイエンティストを募集しているのは、ほんの一部の企業だけでした。
その遅れの原因のひとつは教育の機会の差です。事実、日本では社会人向けにデータサイエンスを教育する場所が限られていました。帰国後、2社でデータサイエンティストとして働きましたが、留学中に感じた課題感や問題意識から、2017年に社会人向けにデータサイエンス教育を行う会社「データミックス」を作り起業しました。
起業してわかったことは、身につけてきたスキルや経験の中で無駄なものは一つもないということです。私のこれまで経験してきた経理、マーケティング、コンサルティング、データサイエンスといった各スキルは平均的ですが、これらのスキルを同時に組み合わせることが自分らしい仕事につながっています。実際、これは誰にでも当てはまることです。ある分野のトップでなくても、いくつかのスキルを組み合わせれば、自分らしいキャリアを築けるということです。
データミックスはデータサイエンスを教える学校で、数多くの社会人が学んでいます。学校としての想いは、受講生に新たに獲得するデータサイエンスのスキルと既にもっている経験やスキルを掛け合わすことで、自分らしいキャリアを追求してもらいたいと願っています。そして、私個人としての“働く理由”は、データミックスの受講生に刺激をもらいながら、新しい自分にアップデートしていくために働いています。
『 1秒でつかむ 「見たことないおもしろさ」で最後まで飽きさせない32の技術 』[高橋 弘樹 著/ダイヤモンド社]
教育もコンテンツが大事なので、面白い教材を考える材料になりました。
株式会社データミックス
代表取締役
堅田 洋資(かただ ようすけ)さん
1982年生まれ。一橋大学商学部卒業。在学中に(株)オプトでインターン後、外資系大手企業に就職。KPMG FAS、㈱インフォマティクスを経てWINフロンティア(株)、同社取締役就任。2013年にサンフランシスコ大学データ分析学修士コースへ留学。2014年有限責任監査法人トーマツ入所。2015年 (株)白ヤギコーポレーション入社。2017年2月データミックスを設立し、代表取締役就任。
※現在は「株式会社ピープルドット」に社名変更
◎データミックスでは、社会人向けにデータサイエンティスト育成コースを運営しています。 2ヶ月ごとに開講していますので興味がある方はぜひ無料説明会にお越しください。 → https://datamix.co.jp/data-scientist/
【2019年7月インタビュー】
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