新聞記者、ニュースサイト編集者、パソコン誌編集長。1つの会社のなかで、“転職”を2回も経験させてもらっている。新聞、インターネット、雑誌は、似ているようでまったく違うメディアだ。
新聞記者は「足で稼げ」とたたき込まれた。振り出しは社会部のサツ回り。事件事故、担当地域内のできごとなら、何でも取材する。生活情報部、経済部と異動し、時には、国際交渉の現場を走り回り、時には、介護の現場に立ち会わせてもらった。
辞令は突然やってくる。6年前、インターネットのニュースサイトの編集担当に。今度は、職場そのものが急速な変化の渦のなかにある。今でこそ当たり前のブログやRSSの登場に、可能性とマイナスを議論する日々。文字を拡大したり、音声で読み上げたり、新聞がアクセスできない人々にも読んでもらえることに驚き、読みやすさを求めて奔走した。
夢中になっていたら、今春また異動の話…。「えっ、雑誌ですか?」世の中がアナログからデジタルへと移行が進むなか、デジタルからアナログへの転身である。戸惑いつつ来てみれば、丁寧な仕事ぶり、ハガキで届く読者の声、確かな手応えが嬉しい。とはいえ、月刊誌といえども、のんびりするのは許されない。以前はユーザーでしかなかった、パソコンの最先端の動きを追う立場だ。日々是勉強、である。
新しい担当になるたびに、新しい職場に就くたびに、毎日が出会いの連続、毎日が驚きと発見の連続だ。そのなかで、新しい知識を吸収して、1歩ずつ育っていく自分がいる。
だから、仕事は面白い。だから、ああ、今日も終電か…。
取材もできて、原稿も書けて、おまけに読者の皆さんから感想を寄せていただけるなんて、こんなありがたいことはありません。
子連れ世界一周旅行。
・身内を亡くした方が、こちらの質問に1つ1つ丁寧に答えてくださったとき。
・インタビューする相手の、人生の機微に触れたとき。
・複雑な事象のなかに、ニュースの筋が一本スーッと通って見えたとき。
家族。
先生、外交官、アナウンサーなど。欲張りだった。
自分で考えること、自分で決めること、決めたことに責任を持つこと。
コンピュータに始まり、コンピュータに終わる。
プラス思考。
芝生の広場で空を見上げて大の字になる。
『改定新版 コンピュータの名著・古典100冊』
[石田晴久編・著/インプレスジャパン]
『インターネットは「僕ら」を幸せにしたか? -情報化がもたらした「リスクヘッジ社会」の行方-』
[森健著/アスペクト]
『「数字」がわかれば仕事はぜんぶうまくいく -経理・財務の達人が教える「6つのツボ」-』
[金児昭著/PHP文庫]
『新版 いちずに一本道 いちずに一ツ事』
[相田みつを著/角川文庫]
東京都出身。82年早稲田大学政治経済学部卒、読売新聞入社。
社会部サツ回りを振り出しに、生活情報部を経て、経済部で証券不祥事、日米自動車協議などを取材。シニアスタッフとして立川支局勤務後、経済部に戻る。二度の育児休業を取得。
2000年メディア戦略局でヨミウリ・オンラインの編集担当となり、マネーコーナーを企画・立ち上げ。女性サイト「大手小町」はじめ、「マネー・経済」「医療と介護」などウェブマガジン担当デスク。
2006年3月から月刊パソコン誌『YOMIURI PC』編集長。