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リレーエッセイ Vol.18 稲沢裕子さん

新聞記者、ニュースサイト編集者、パソコン誌編集長。1つの会社のなかで、“転職”を2回も経験させてもらっている。新聞、インターネット、雑誌は、似ているようでまったく違うメディアだ。

新聞記者は「足で稼げ」とたたき込まれた。振り出しは社会部のサツ回り。事件事故、担当地域内のできごとなら、何でも取材する。生活情報部、経済部と異動し、時には、国際交渉の現場を走り回り、時には、介護の現場に立ち会わせてもらった。

辞令は突然やってくる。6年前、インターネットのニュースサイトの編集担当に。今度は、職場そのものが急速な変化の渦のなかにある。今でこそ当たり前のブログやRSSの登場に、可能性とマイナスを議論する日々。文字を拡大したり、音声で読み上げたり、新聞がアクセスできない人々にも読んでもらえることに驚き、読みやすさを求めて奔走した。

夢中になっていたら、今春また異動の話…。「えっ、雑誌ですか?」世の中がアナログからデジタルへと移行が進むなか、デジタルからアナログへの転身である。戸惑いつつ来てみれば、丁寧な仕事ぶり、ハガキで届く読者の声、確かな手応えが嬉しい。とはいえ、月刊誌といえども、のんびりするのは許されない。以前はユーザーでしかなかった、パソコンの最先端の動きを追う立場だ。日々是勉強、である。

新しい担当になるたびに、新しい職場に就くたびに、毎日が出会いの連続、毎日が驚きと発見の連続だ。そのなかで、新しい知識を吸収して、1歩ずつ育っていく自分がいる。

だから、仕事は面白い。だから、ああ、今日も終電か…。

仕事にまつわる10問アンケート

  1. 今の仕事が好きですか?

    取材もできて、原稿も書けて、おまけに読者の皆さんから感想を寄せていただけるなんて、こんなありがたいことはありません。

  2. 一生困らないほどのお金が手に入ったら、仕事以外にやりたいことは?

    子連れ世界一周旅行。

  3. 仕事で、"鳥肌が立つほど感動した"ことがありますか?
    それはどんなときですか?

    ・身内を亡くした方が、こちらの質問に1つ1つ丁寧に答えてくださったとき。
    ・インタビューする相手の、人生の機微に触れたとき。
    ・複雑な事象のなかに、ニュースの筋が一本スーッと通って見えたとき。

  4. 仕事より大切なものは?

    家族。

  5. 子供の頃になりたかった職業は?

    先生、外交官、アナウンサーなど。欲張りだった。

  6. あなたの子供に、仕事のためにどのようなことを身につけさせたいですか?
    (※子供をお持ちでない方は、いると仮定してお答え願います)

    自分で考えること、自分で決めること、決めたことに責任を持つこと。

  7. あなたの仕事にとってコンピュータとは?

    コンピュータに始まり、コンピュータに終わる。

  8. 仕事で成功するために、もっとも大切なことは?

    プラス思考。

  9. いま、1時間だけ自由な時間があったら、何をしたいですか?

    芝生の広場で空を見上げて大の字になる。

  10. 最近読んだ本で、仕事に役立ったのは?

    『改定新版 コンピュータの名著・古典100冊』
    [石田晴久編・著/インプレスジャパン]

    『インターネットは「僕ら」を幸せにしたか? -情報化がもたらした「リスクヘッジ社会」の行方-』
    [森健著/アスペクト]

    『「数字」がわかれば仕事はぜんぶうまくいく -経理・財務の達人が教える「6つのツボ」-』
    [金児昭著/PHP文庫]

    『新版 いちずに一本道 いちずに一ツ事』
    [相田みつを著/角川文庫]

『YOMIURI PC』
編集長 稲沢裕子(いなざわ・ゆうこ)

【Profile】

東京都出身。82年早稲田大学政治経済学部卒、読売新聞入社。
社会部サツ回りを振り出しに、生活情報部を経て、経済部で証券不祥事、日米自動車協議などを取材。シニアスタッフとして立川支局勤務後、経済部に戻る。二度の育児休業を取得。
2000年メディア戦略局でヨミウリ・オンラインの編集担当となり、マネーコーナーを企画・立ち上げ。女性サイト「大手小町」はじめ、「マネー・経済」「医療と介護」などウェブマガジン担当デスク。
2006年3月から月刊パソコン誌『YOMIURI PC』編集長。

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