弊社では、新入社員の面接を一般社員がお手伝いするという慣習があり、私もキラキラな目をした学生さんから、「藤井さんにとっての仕事とは何ですか?」といった、このエッセイと同種の質問を受けることがあります。 そんなときは、「仕事はできればしたくない。でも仕事をしないと生きていけない。どうせしなくちゃ駄目なことなら、できるだけ楽しくワクワクできることをしたいでしょ?」なんて話をしています。
「楽しく、ワクワク。」という仕事のスタンスは、新人の頃から変わらず自分のなかにあったように思いますが、最初は、「自分自身にとっての楽しい、ワクワク」ばかりでした。雑誌に自分の名前が出た! 自分が書いた音楽コラムの支持率が良かった! あの憧れのアーティストに取材ができた! などなど。それらは、編集という職種の醍醐味ですし、過去の自分を否定する気はありませんが、いつの頃からか、それだけではもの足りなく感じるようになりました。
最近は、「その人が本当は知りたい・欲しい、と思っているのに、本人は気づいていない」ことを発見するのが楽しいですね。『R25』の記事のなかでも支持率が高くなるのは、上記のような発見がうまくいったときです。そのためには、頭のなかでいろんな視点をバランス良く保つ必要があるのですが、これがなかなか難しいんですよ…。この姿勢を続けていくと、「世の中が本当は知りたい欲しい、と思っているのに、世の中は気づいていない」というところまでたどり着けるのでは? なんて夢想しています。
知っていると知らないの間にある“あいまいな状態”に対して、「知ったかぶりをしない視点」と「遊び心を忘れない精神」で切り込んでいく…、『R25』で培ってきた編集のあり方は、今後の自分の仕事においてはもちろん、人生においても基本となっていくでしょう。さらなる「楽しく、ワクワク。」できる仕事に巡り逢えるよう、日々精進ですね。
はい。新しいチャレンジを期待され続けるのは大変ですが、元来怠けものなので、それくらいがちょうどよさそうです(笑)。
F1グランプリを全戦パドックで観戦したいですね。
『R25』を創刊したときに、一番大きな相鉄線横浜駅のラックをこっそりのぞきに行ったのですが、2秒に1冊のペースで本が抜き取られていく光景を見て、それはそれは感動しました。
子供ですかね。
新聞記者だったような…。
周りの人々に感謝する力。
道具。あんまり使いこなせてないですが…(苦笑)。
「総論」(例:経営)と「各論」(例:現場)を、線でバランス良く結ぶこと。
『iPod』を聞きながら、商店街を散歩します。
1973年富山県生まれ。
大阪大学経済学部卒。大学時代はアルペンスキー部とバンドに明け暮れた日々。
95年リクルート入社。『ゼクシィ』『エイビーロード』『ダヴィンチ』『住宅情報』『都心に住む』などの編集を経て2005年から現職。
座右の銘は「偶然は必然」。