「なんか…生きる力があるよね」。
ある日妻に言われた。
有名雑誌でさえ廃刊に追い込まれ、「本が売れなくなってきている」と言われるこのご時勢。だから、イチ雑誌の編集長とは、荒れ狂う大海に浮かぶ小さな舟の舵取り役みたいなものかもしれない。
明確にはない目的地を目指し、編集長が舵をとる。編集部員は舟を実際に動かす役目だ。舟は無用に大きすぎないほうがイイ。大きすぎれば、船底に穴が空いたとき、ライバルが近づいたときにわかりにくい。小さな舟だからこそ、いろんなモノに目が届くってもんだ。
舵取りが上手くいって大きな波を越え、ライバル船を抜き去っては歓声を上げる。
「自転車ブーム」と言われる今、自転車の月刊誌ではこの戦いが毎月繰り広げられている。他のチームにはない、前に進もうとする強い意志・力がなくては置き去りにされてしまう。毎月、この“歓声”を上げ、“祝杯”を挙げたいがために私は舵を取っている。
舵取りがまずく、舟が沈んでしまったら、スタッフみんなはどうなる??
私にとって、「仕事・働くこと」とは、大きな責任があることと同時に、ワクワクするほどスリリングなもの。
冒頭の妻の言葉を聞いたとき、少々尻のあたりがこそばゆくなった覚えがあるが、“ワクワクするほどスリリングなことをしているとき”の私だからこそ、彼女はそう感じたのかもしれない。
仕事にかこつけて自転車に乗れるので「大好き」です。かなりな公私混同ぶり!?
起業したいが元手がない、という人に投資してみたい。
アシストの自己犠牲によって“勝利”を得るロードレースを観たとき。
(アシスト:エースを勝たせるために存在するチーム員)
大切な順に「家族→編集部員→%&$→?*#→→→→→→→→仕事」。
保父さんかファーブル博士(?)
人よりも旺盛な好奇心。生き物としての強い生命力。
その量が膨大すぎて、あまり役に立たない情報収集装置の一つ。自分の足を使って得た情報のほうが重要です。
好奇心。前に進む力。
いつも乗っているマウンテンバイクの整備。
すべてのライバル誌。“ライバル”なので、名前は書けません(笑)
創刊から23年の歴史をもつ自転車専門誌“バイシクルクラブ”の編集長。1995年、エイ出版社に入社以来13年間、バイシクルクラブ誌一筋。2007年、編集長に昇格。自身もMTB、ロードバイクを10台以上所有し、休日は自転車ざんまいの日々。「その道のプロがあなたをガイドする」“All About”のスポーツ自転車のガイドも務める。雑誌以外でも、趣味と生活のポータルサイト“サイドリバー”で自転車の魅力を取り上げている。