本稿を書いているのは、1月の正月休み明けです。あっという間の正月休みでしたが、それでも仕事のことを一旦脇において、家族とゆっくり過ごせたのは良い時間でした。ただし、問題になるのが、休み明けです。出かける準備をしていると3歳の娘が「どうしたの」と。「仕事に行くから準備しているんだよ」と答えると、「なんで」「行かないで」と半泣きに…。6日間ずっと一緒(べったり、とも言う)だったので、一緒が当たり前になってしまったようです。
こういう時は、「仕事だからしょうがない」とは答えないようにしています。「おーたんを必要としてくれている人が一杯いるから、お手伝いに行くんだよ」(「おーたん」は「お父ちゃん」の変化形)。もちろん、仕事はお金を稼いで生活を成り立たせるための手段でもありますが、それだけだとあまりに寂しいと感じます。仕事を通じて他の人の役に立つ、もっと言えば、“人や社会の役に立つ”ということが仕事の目的だと考えています。
娘とのやり取りでほかに気をつけているのは、仕事帰りで「疲れた」とか「辛い」とか言わないこと(まあ、寝ていることがほとんどですが)。「最近の若いもんは定職にもつかず情けない」と嘆くオジサンもいらっしゃるようですが、子供の頃から親が「仕事が辛い」「いやだ」とか、「疲れる」と言っているのをさんざん聞いていれば、仕事に希望を持てなくなるのも不思議ではありません。
話が少々逸れましたが、弥生の仕事は“人や社会の役に立つ”という観点で、本当に素晴らしい仕事だと思っています。弥生製品のユーザーは、中小企業・個人事業主、そして起業家を中心に、現在約83万ユーザーです。さらに、企業の平均従業員数を10名とすると800万人以上。間接的に関わる従業員の家族(平均2.54人/一世帯)も合わせると、約2,000万人以上にもなります。これだけ多くの方のお手伝いができるということは本当に素晴らしいことだと、常に感謝しています。
もちろん、大好きです。
やりたいことを仕事にしてきましたので、結局中身はともあれ、仕事をしていることになるかと思います。
皆の想いが結実した時です。直近で言えば、大幅リニューアルをおこなった本年度の確定申告モジュールが完成したときには、泣きそうになりました。
家族です。
幼稚園の時は「ゴミ清掃車の運転手」でした。中学生ぐらいの時は、国際弁護士でしたが、途中で「ガンダム」を作りたいと方向転換しました。
世界中どこの国に行っても生きていけるような「生きる力」、バイタリティです。
共に育ってきたもの。
ベストを尽くしたうえで、信じること。
家に帰って娘と遊ぶ。
『The LAST LECTURE (最後の授業 ぼくの命があるうちに)』
[Randy Pausch 著/武田ランダムハウスジャパン]
仕事に直接的に役立つかは別として、感動しました。
1969年3月、横浜生まれの横浜育ち。野村総合研究所、ボストン コンサルティング グループを経て、2000年6月にコンサルティング会社リアルソリューションズを起業。2008年4月、弥生株式会社 代表取締役社長に就任。