「一人でも多くの人を、最高の笑顔に」。 この想いが私の仕事の基盤となっていて、ずっとやっていて飽きない楽しいもの、それが仕事です。私の仕事観は、学生時代にディズニーランドでアルバイトをした経験が大きな影響を与えています。
大学時代の3年間、私は同施設内にある『ジャングルクルーズ』（※）で船長をやっていました。そこでは、お客さまからのダイレクトな反応を感じつつ、どうやったらより楽しんでもらえるか、満足してもらえるかを探求する日々。自分が努力したり工夫すれば、相手にすごく喜んでもらえる。だからさらに頑張ろうと思える。そんな充実した時間のなかで、仕事を通して心からの笑顔をもらえたことは本当に得難い経験でした。
こうした経験の延長線上として、卒業後は、“ファミリー層とより日常的に接する仕事に就きたい”と考え、ショッピングモール構想を打ち出していたイオンに入社。米国ウォルマートへ研修で訪問した際、偶然にもWindows95を発売する前のマイクロソフトの存在を知り入社。その後、インテリジェンス、リクルートグループに身をおき、時代をリードし成長していく組織で猛烈に働くことで、現在の下地固めをしました。
そして、2009年にマーケティングコンサルティング会社サイコスを設立。この分野を選んだのは、事業会社のマーケティング経験を活かせることに加え、自分のルーツ（広告代理店を経営する父とアートディレクターの叔父）や、最終的には「お金がもらえなくてもこの仕事が好きだ」と思えたからです。顧客課題の核心に入っていって、一緒に考えて解決していけることは最高の喜びとなっています。現在は幸いなことに、私のこれまでの職歴で培った実体験に基づく具体的なやり取りができるためか、お客さまに信頼して委ねてもらえることが多く、楽しみながら成果も出せるため、マーケティングコンサルティングは“仕事冥利”に尽きると思っています。
私にとって働くことは、まさに人生そのもの。仕事は、食べるための仕事（ライスワーク）ではなく、人生を充実させるための仕事（ライフワーク）。働いていることは回りまわって、必ず誰かの笑顔につながっていくと思いますし、だからこそ頑張れる。「すべての仕事は笑顔に通ずる」という想いを胸に、その気持ちを忘れないよう、これからも多くの人を笑顔にしていきたいと思います。
※『ジャングルクルーズ』
東京ディズニーランドにあるアトラクション。ジャングルのなかをボート（32人乗り）で探検するツアー式アトラクションで、 ボートには秘境エリアを軽妙なおしゃべりで案内するスキッパー（船長）も乗船する。
- 今の仕事が好きですか？
好きです。24時間365日やっていても苦にならない。というより、楽しい。
- 一生困らないほどのお金が手に入ったら、仕事以外にやりたいことは？
お金があっても今の仕事をしたいです。仕事以外で言うならば、好奇心の赴くままにいろいろなものを見たり聴いたり体験したりしたい。
- 仕事で、“鳥肌が立つほど感動した”ことがありますか？
それはどんなときですか？ディズニーランドでアルバイトをしていたときに、私の船長ぶりを見て、子供たちに「自分も船長になりたい！」と言ってもらえたときは嬉しかったですね。そんな彼らが行列になって私のサイン会になってしまったことがあったのですが、一生懸命やっている分、このときは感動しました。
- 仕事より大切なものは？
社員や家族。何ごとも、人がすべてだと思います。とにかく人が大切です。
- 子供の頃になりたかった職業は？
6歳の頃は警察官。剣道を習っていたこともあり、悪い人をやっつけたいと思っていました。高校時代は新聞記者になり、正義の味方になりたかったです。
- あなたの子供に仕事のためにどのようなことを身につけさせたいですか？
（※子供をお持ちでない方は、いると仮定してお答え願います）何よりも、礼儀正しさ。加えて、社会をより良くするために、社会の問題を解決するために、人が働くことを教えたい。
- あなたの仕事にとってコンピュータとは？
魔法の道具。鉛筆にも電話にもアルバムにもなるし。幼少時にマイコンに触れ、遊びながらプログラミングしたりしていたのを憶えています。
- 仕事で成功するために、もっとも大切なことは？
パッション。その背景には、「取り組むべきテーマ」と「誰かにとっての提供価値」があることが必須ですが・・・。相手が、“価値がある”と認めてくれるテーマを見出して情熱をもって取り組むこと。
- いま、1時間だけ自由な時間があったら何をしたいですか？
本屋とカフェに行きたいです。
- 最近読んだ本で、仕事に役立ったのは？
私自身、ここで挙げた本は何度も読んでいて、部下にも必ず読むよう薦めています。
『一勝九敗』 [柳井正著/新潮社]
『柳井正の希望を持とう』 [柳井正著/朝日新聞出版]
『なぜか、「仕事がうまくいく人」の習慣』 [ケリー・グリーソン著/PHP研究所]
『アメフトコーチに学ぶ 勝ち続ける人の「習慣力」』 [ダグラス・カーク著/アスカエフプロダクツ]
サイコス株式会社
代表取締役社長
青葉 哲郎（あおば・てつお）
【Profile】
1971年生まれ。大学卒業後の1994年4月、ジャスコ （現イオン）に入社。1995年マイクロソフト入社。トップセールスを経て、最年少のプロダクトマネージャに就任。米国本社で開発されたソフトウェアのローカライズ、MSN事業開発などを担当。2001年インテリジェンス入社。マーケティング部を設立し、『はたらくを楽しもう。』で同社を転職ブランド1位に。2008年リクルートエージェント入社。『転職に人間力を。』で新ブランドを立ち上げ、コスト減と広告効果の最適化で成功を収める。同年10月にリクルート出向。2009年11月サイコス株式会社を設立。
