2023.09.14
松山大学では松山大学生活協同組合と提携してMOSの対策講座が行われており、毎年多くの学生が受験しています。
松山大学経営学部で経営情報論やソーシャルビジネス分野の授業を担当されている上杉教授に、「Excelの重要とMOSの効用について」寄稿していただきました。
寄稿者
松山大学
経営学部 教授 上杉 志朗
今日、エビデンスに基づいて判断することがますます重要性を増している。さまざまな異なるバックグラウンドを持った人々が共通の土台で議論するには、数値化され、客観的な分析に耐える情報が必須である。
正しい情報に基づき、論理的に思考することによって、不確実な未来に対して、より確実な予測が可能となり、正しい決断が可能となる。この背景には、これまで入手が困難だったデータを利用することができるようになったことに加えて、データをより適切に加工することが容易になったことがある。
ビジネスシーンにおいて、正しく現象をとらえることは、個人のレベルでも、会社全体のレベルでも重要である。社会全体にとっても、共通理解の促進において、科学的根拠こそが正しい判断の基盤である。それゆえ、データ収集、分析、加工に代表されるデータサイエンスが、個人や企業、行政の枠組みを越えて身につけるべきスキルとして認識される。
マイクロソフト社が提供するMicrosoft 365にはこのようなエビデンスを収集、加工、分析する機能が盛り込まれている。ビジネスパーソンに最も身近なExcelを例に取ると、モダンExcelと称されるMicrosoft 365の主要アプリケーションであり、Officeプロダクトの頃とは格段にデータサイエンス処理アプリとしての能力が向上した。2023年7月からは、AI機能Copilotが搭載されてきており、機能向上は著しく、日常の会話の延長で高度なデータサイエンス機能を実行できるようになるという。
重要なのは、もともとExcelに何ができるかという基礎的知識がなければ、高度な機能も十分に使い切ることはできないということだ。しかし、新しい機能が追加されるたびにマニュアルをはじめから読むのは効率が悪く、正しく理解できているかどうかの判断ができない。さまざまなデータサイエンスのツールがあるなかでもMicrosoft 365に含まれているアプリ、ことにExcelは広範囲に利用されており、学習の入り口としても、実務の実践としても有力なアプリである。
MOSには、試験準備を通じて、あらかじめ整理整頓された必須の知識を身につけることができることと、実際の理解度のチェックすることの両方の役割が期待できる。
新しい技術が盛り込まれて、高機能になること、また、その発展速度が速いことに鑑みると、MOSを受験することは、自分自身の効果的なアップデートにつながる。さらには、MOSを入り口にして、他のビジネス関係の資格試験を受験することで、より一層の効果が期待できる。
2001年 松山大学 経営学部専任講師、2002年助教授、2009年4月教授。松山大学 大学院経営学研究科兼任、松山短期大学学長(2015年4月-2018年3月)2018年4月より現職。
専門は、ICTマネジメント、電子商取引論、情報社会論、NPO論。