新しい資格、新しいスキル、新しいキャリア。 株式会社 オデッセイコミュニケーションズ

新しい資格、新しいスキル、新しいキャリア。 株式会社 オデッセイコミュニケーションズ

Topics インタビュー

2024.02.01

資格試験を運営する一企業が考えていること

以下インタビューは、CIEC(※)会誌「コンピュータ&エデュケーション」Vol.55に掲載(2023年12月1日発行)された内容を転載したものです。

インタビュー実施日:2023年10月4日
場所:オデッセイコミュニケーションズ 会議室
インタビュアー:CIEC会誌 寺尾編集長(青山学院大学)

出張 勝也さん

出張 勝也さん(株式会社オデッセイコミュニケーションズ代表取締役社長)に聞く

私は大学教員として、資格試験にはやや複雑な感情を持っています。ゼミナールに入ってくる学生にITパスポート試験の合格を求め、ゼミナールでは統計検定2級合格を視野に統計学の学習を行っている一方で、就職に役立つかどうかを気にする学生には、資格はもっと自由な学習に付随するものであって取得が目的になってはいけないと言います。矛盾しているかもしれません。
2023 PC CONFERENCEの団体会員発表セッションで、株式会社 オデッセイ コミュニケーションズによる「データ分析に必須のMOSと統計を中心に関連テキストも紹介。令和のマナー検定も開始」というご発表をききました。資格試験を運営する企業はどのようなことを考えておられるのかをうかがいたく、代表取締役社長の出張勝也さんにインタビューをお願いしました。
インタビューには、中村太郎さん(営業部文教担当ATCマーケティングチームビジネスサポートマネージャー)、平磯寿樹さん(営業部文教担当アシスタント・マネージャー)、葛西佳美さん(営業部文教担当アシスタント・マネージャー)にもご同席いただきました。

大学生にとっての資格試験の意味

寺尾 2023年夏のPCカンファレンスでは、団体会員発表セッションでの「データ分析に必須のMOSと統計を中心に関連テキストも紹介。令和のマナー検定も開始」のご発表をありがとうございました。扱っておられるさまざまな資格について知ることができました。

最初におたずねしたいのは、大学生にとって、MOSなどの資格試験を受ける意味は何かということです。御社のウェブページで公開されているアンケート結果によれば、MOSに興味を持ったきっかけは「就職や転職時に役立ちそうだから」(61%)が1位となっています。司法試験や医師国家試験のような、就職と直接に結びついている特殊な試験を除けば、一般的な就職活動の結果を決定的に左右する試験はないと思うのですが、実際はどうなのでしょうか。

出張 ぜひお伝えしたいことのひとつは、とても優秀な学生が行きたがっている一流企業と言われている会社が、内定者にMOSを受けさせてくれているという事実です。学生からの人気では日本でトップ5 に入るような会社が、内定者を対象にMOSを採用してくれています。入社する前に、最低限これはクリアしておいてくれということですね。

ワードやエクセルの資格試験は、実は日本で最初にスタートしたのです。われわれは20 年以上かかわってきました。当時あったのはジャストシステムの一太郎検定などでした。われわれがおつきあいしていた、マイクロソフトのオフィス担当のマーケティング部長が、ジャストシステムがこういう試験をやっているから、マイクロソフトもワードやエクセルの検定試験を始めようとおっしゃって、われわれと一緒にスタートしたのです。そうこうするうちに、アメリカでも同じことを考えているようだからということでプロジェクトを立ち上げました。今はいろいろな国でやっています。世界学生大会を開催して、いろいろな学生がいろいろな国から参加しています。

寺尾 夏のPCカンファレンスで、その表彰式の動画を見せていただきました。東京電機大学の学生さんが、エクセル2016部門で世界1 位に輝いたシーンでした

出張 彼は大学1 年生か高校生のときから「学生大会に出たい」と言っていて、とても熱意のある学生でしたね。今は4 年生で、IT系の会社に就職内定をもらったそうです。彼はアドビのアプリケーションの学習もしています。私は彼に「君は大谷みたいだ」と言っています。

寺尾 大学生の多くは日常的にマイクロソフトのオフィスアプリケーションを使用しています。そのため、MOSは受験しやすい試験である一方で、だれでもある程度はオフィスソフトを使えるので、スキルのアピールに使いにくいのではないかと思っていました。

出張 オフィスアプリケーションを使いこなしている学生は確かにいますが、そうではない学生もたくさんいるというのが現状だと思います。就職活動の面接で当社にいらっしゃる方に、エクセルの模擬試験を受けてもらうと、ご本人が履歴書などに書いていることよりも半分以下のことが多いですね。たぶん、ある程度は使えるという定義が非常にあいまいで、自己申告になっているのではないかと思います。MOSはそれほど難しい内容ではないですが、一通り体系立てて勉強してもらうというところに、受験してもらう意味があるのではないのかと思います。学生にとってスマホは必需品ですが、パソコンは違いますね。MOSは、スマホ中心からパソコンの使い方を学ぶ、ひとつのきっかけにしてもらいたいです。一般学生のパソコンスキルは、先生方の印象よりも低いのではないかと思います。ある程度使えているのは確かですが、体系的な勉強はしたことがない人がほとんどなのではないでしょうか。先ほど申し上げたように、日本で有数の企業と思われている多数の会社が、内定者に継続的に受けさせてくれていることは、事実として重要だと思います。残念ながら守秘義務契約があって、多くの場合、会社名を使わせてもらえないのです。

寺尾 MOSなどの資格試験にチャレンジすることは体系的な学習のきっかけになり、そうして身につけたスキルは一流企業が必要性を認識しているのですね。大学教員としては、資格を取ることが目的になってしまうのではなく、自分の興味あることを学び、それがどれぐらい身についたのかを確かめるために資格試験を受けてほしいと思っています。資格試験をうまく使ってほしいですね。

出張 大学の先生方は、資格試験に対して批判的な方が多いと理解しています。それはそれで僕も反論はありません。しかし、資格試験とは、ある種の、今風の言葉で言うとマイクロラーニングのひとつなのではないかと思うのです。MOSはテキストがあって、スクールに通わないで自分で勉強して試験を受ける人が圧倒的に多いと思います。テキストで一通り勉強して、模擬試験があって、試験があって、試験結果はすぐに出ます。おそらく、1か月か2 か月の期間にわたって体系的に学習をします。ワード、エクセル、パワーポイントを習得し、さらには、われわれ独自で行っている「ビジネス統計スペシャリスト」という資格があるのですが、そういうものに挑戦してもらう。これはマイクロラーニングのひとつのパターンなのではないかと思います。

寺尾 資格試験を視野に入れた教育を大学で行うかどうかについては、教員間で意見の相違があると感じています。青山学院大学では、相模原キャンパスの開校(2003年度)直後に、MOS 試験を参考に全学教育の必須科目を作りました。MOSよりは少し易しいけれども、それにかなり近いスキルを学習します。学習の中心はeラーニングです。実際にオフィスソフトを操作してその結果を自動判定する「スキルチェック」というシステムを業者さんに作ってもらって、合否の判定をしています。この内容の科目を続けるにはシステムの更新をしなければならない時期に来ているのですが、オフィスソフトのスキルを学習するような科目はもう不要なのではないかという意見もあるようです。

出張 「今さらワードやエクセルでもないでしょう」と先生方がおっしゃるのもよくわかります。でも、同じことが英語教育でも言えますね。いつまでも「TOEICで何点だ」などと言っている。英検もそうですね。

僕らの試験がいいのは、いつまでも引っ張らないというところだと思っています。MOSにしろ他の試験にしろ、3か月や半年の間で基礎的なことをやっていただいて、そのあとは自分たちでやってくださいというところだと思うのです。TOEICや英検のように、スコアアップや上の級に挑戦することで継続的な学習をフォローする試験もありますが、そうすると、本当に英語が使えるようになるというところから、かえって遠ざかってしまうと思います。すべてのことで実践が大切だと思います。

寺尾 最近は、使える英語ということを意識してTOEICも英検も変化しているようですが、終わりが見えないのは確かにそのとおりですね。もちろんスコアは上がっていくのですが、スコアばかりずっと追求するのは、英語学習の本来の目的からはずれていて、おかしな感じがします。

出張 僕らのやっていることもそうなのですが、企業側の考え方が非常に重要だと思うのです。日本の社会における企業の存在感は非常に大きくて、大学教育に対しての影響力もすごくあると思うのです。だから、企業がしっかりとした自分たちの方針や哲学を持っているかどうかがすごく重要です。資格試験も、僕らはそれでなりわいとしていますから、僕らにとってはすごく重要なものなのです。しかし、あくまでも社会全体や教育全体の体系の中で見たときには、どのような言葉を使ったらいいのかわかりませんが、やはりある種の分をわきまえています。このような位置づけで、ここまでのものだという自覚は、僕は必要なのではないかなと思っています。資格試験のプラス面はわかっていますが、何回も受ける必要はあるのかと。そういうことをやるのだったら、もっと外に飛び出していって、実際に英語を使ってみた方がいいのではないかと、すごく思うのです。

生涯学習のひとつのきっかけとして、マイクロラーニングとしての資格試験があっていいのではないのかとは思っています。僕らはこれでなりわいを立てている人間なので、ポジティブなことしか申し上げませんが、そのような位置づけはあるかなと思います。

寺尾 私はそれほど資格試験に否定的ではありません。私の所属する社会情報学部ではゼミナールが3年生から始まります。名前に「情報」が入っている学部なのに、私のゼミに入ってくる学生は情報にあまり強くありません。そこで、2年生の春休みにITパスポートに合格することを求めています。ゼミナールが始まると、統計検定の2級を目標に、統計学の学習を行っています。

出張 「ビジネス統計スペシャリスト」をぜひご推薦いただきたいです。九州に肥後銀行という地銀があります。今は鹿児島銀行と一緒になって、九州フィナンシャルグループというひとつのホールディング会社の下に鹿児島銀行と肥後銀行があります。先月(2023年9月)、私は熊本に行きまして、インタビューさせていただきました。「ビジネス統計スペシャリスト」は延べで1,000名ぐらいの方に受けていただいています。30分弱のインタビューで、その銀行のDX戦略から始まって、なぜこの試験を採用していただいたのか、お話をうかがって動画を作りました。銀行に内容をご確認いただき、許可をいただきましたので、当社のホームページで公開しています。

「ビジネス統計スペシャリスト」は私どもで始めた試験ですが、採用企業のご了解をいただけないと何も公表できません。MOSでも表に出しているのは採用企業のごく一部です。

寺尾 「ビジネス統計スペシャリスト」は、私の学部での1年生必修科目である「統計入門」と、学習内容がかなり重なっています。この科目の学習を終えたタイミングで受験を勧めるといいかなと思いました。この授業では、データ分析の演習はエクセルとRで行っています。「ビジネス統計スペシャリスト」は、統計学のスキルと共に、エクセルでのデータ分析のスキルを要求されますから、ちょうどよさそうですね。

大学生が資格試験を受けることについてお話をうかがってきましたが、CIECには小中高の先生方も参加されています。小学校ではちょっと考えにくいのかもしれませんが、高校生ぐらいだと、資格試験をどのように見ているのでしょうか。

出張 アメリカでは、MOSを一番受けているのは高校生なのです。No Child Left Behindというような公的な支援策の中でもIT分野への取り組みは非常に強いものがあり、州レベルでも、たとえばフロリダ州は非常に積極的だと聞いています。一方で、アメリカでは企業側からのニーズはほとんどないようです。日本は企業側からのニーズがけっこうありますから対照的です。われわれは日本の高校への営業も行っています。しかし、われわれのお客さんでは、高校はそれほど多くはないですね。普通科よりも商業高校や工業高校が中心で、情報科があるところですね。受験料がかかるので、高校では全員に受験してもらうことは難しいですね。

すごく問題意識が高いというか、親御さん自身にすごく関心があるところは、小学生や中学生から試験を受けていることもありますが、例外的であって、やはり主な受験者層は専門学校・大学以降ですね。

寺尾 ふだんの学習の中でオフィスソフトを頻繁に使うのは、日本の教育だとどうしても大学生になってからになると思います。高校生まででも使う場面が増えてはいますが、大学に比べればずっと少ないはずです。毎週のようにレポートがあるわけでもないでしょう。そうした事情はあるでしょうね。

令和のマナー検定

寺尾 この夏のPCカンファレンスで「令和のマナー検定」について紹介されていました。これは御社が独自作成されている試験ですね。

出張 そうです。秘書検定を受けている女子学生さんがいますが、今は会社で秘書という存在がすごく少なくなってきていると思うのです。伝統的な秘書は会社からもういなくなってきている。秘書になるための学習というよりも、社会人としての基礎的なマナーや知識を得てもらった方が、僕はいいのではないのかなと思うのです。女子学生が秘書検定を受けて秘書になるというキャリアパスを否定はしませんが、もう少し意欲的で、もう少し視野が広くてもいいのではないのかと。男子学生も女子学生も、同じ基本的なマナーや、社会人としての基礎的な常識を学習してもらったらいいのではないかと考えました。

「このような試験をやりたい」というのは、社会や学校に対するわれわれからのご提案だと思います。今の学生や会社はこういうことを学んだらいかがでしょうかというご提案として、令和のマナー検定を出しています。僕らのところで出すものは、僕らの会社としてこういうものをご提案したいということが基本にあります。たとえば、「外交官から学ぶグローバルリテラシー」という試験を始めたのです。5、6年前に『外交入門』(時事通信社)という本を読みました。外務省の現役キャリアの方が東北大学に出向されて授業を受け持たれていたときに、お書きになったテキストです。それを読んで、別に外務省に入らなくても、NGOで働かなかったとしても、それこそ総合商社やメーカーの国際部門で働く人はこの本にある考え方を学ぶべきだと思いました。たとえば、本省と大使館との役割分担があります。いいメッセージを伝える時には出先の大使館の人間に言わせる。それはよい関係を作るための手助けになりますよね。一方、ちょっとシビアな話をする時には本省側から話をする。細かいことなのですが、こうしたことはひとつの知恵として、ビジネスをやっていく上でも知っておいたらプラスになるのではないのかと思うのです。こういうコミュニケーションの仕方があるのだということを、当社からの情報としてみなさんに考えていただく。もうからないことがわかっていても、どのような商品を作っていくのか、それは会社からの社会への提案としてすごく大切なメッセージでしょう。別にCSRとしてやっているつもりではないのですが、当社としてどのようなフィロソフィーなり考え方を持ちながら事業に取り組んでいるのか、ひとつのスタンスを示すことではないかと思ってやっています。

寺尾 「令和のマナー検定」を開発された動機はよくわかりました。試験内容の決定や問題作成は難しかったのではないかと思うのですが、いかがですか。

出張 適切なマナーについてはいろいろな意見があります。マナー研修をやっている人たちや、企業の人事部関係の人たちに、テキストと試験問題を見てもらいました。いろいろな考えがあるので、「正解」の中には、自分の意見は違うということもあると思います。

寺尾 公開されているサンプル問題を拝見しますと、古くからの常識的なマナーだけではなく、リモートワークなど、まだ新しくて変化していくマナーも積極的に取り入れられていますね。

出張 今回初めて出したものなので、3年後なのか5年後なのか、変えていかないといけないのかもしれないなと思います。私がこの会社を始める前の、自分の最初のキャリアの10年間は、経営コンサルティングや金融でした。今のようなラフな格好で会社に行くことなど考えられず、皆がエルメスのネクタイをしているという業界だったのです。でも、ウォールストリートでさえも、今はラフな格好の人たちが増えているようです。コロナの影響は大きかったと思います。うちも基本的には会社に毎日出てきていますが、週に1回まではリモートを許可しています。当社の場合は女性社員が多くて、7割ぐらいが女性です。当然、産休や育休を経ている人たちも多いです。介護の必要が出てきている社員もいるので、時間帯での有給休暇の取得をしています。コロナを経て、リモートの経験があって、会社としての考え方や、僕自身も考え方を少しずつ変えてきているところがあると思います。本質的には変わらない部分や価値観があるとは思いますが、マナーは基本的にはコミュニケーションの仕方なので、いろいろと変化する部分も多々あるのではないかと思っています。

教員と企業のつながり

寺尾 このインタビューをお願いしたきっかけは、PCカンファレンスでの、団体会員セッションでのご発表と、教育・ITフェアへの出展でした。CIECとしてはいろいろ気にしていながらも、会員企業さまから直接のご感想をうかがうことがあまりないです。よい場となっていたでしょうか。

出張 PCカンファレンスに参加した平磯さんどうですか。

平磯 発表の場をいただけたのはすごくありがたかったです。こちらがブースを出していて、「興味のある方は来てくださいね」ということだけだと、なかなか立ち寄っていただけなかったりしますので。多くの方が集まっている場で、われわれの伝えたいメッセージを伝えられた上で「ブースも出してますよ」と言えることで、参加させてもらってとてもよかったなと思います。

寺尾 そうですか。それはよかったです。もっとこういうこともCIECがやってくれればいいのにといったご要望はございますか? PCカンファレンスでもそれ以外でも。

出張 新しい商品を作りたいというときに、このような先生がいて、このような分野に関心を持っているということがわかるとうれしいですね。いろいろと先生方とお話をするきっかけが、普段はそれほどないのです。もう10年ぐらい前になるのですが、MOSのエクセルを受けた人たちにもうひとつ、エクセルを使った商品を作りたいと思っていたのです。一緒に試験を作ってくださる先生を探していて、その時に偶然、立命館大学におられた先生とのお話がきっかけで「ビジネス統計スペシャリスト」が形になりました。その先生の周りの先生方も参加してくださっています。

学校の先生にとって、僕はもっと企業側とのお金のやり取りがあった方がいいと思っているのです。何をやるにしてもやはりお金がないとできない。日本の学校の先生方は、そのあたりに関して、ある意味では英語で言うとシャイだと思うのです。もう少しアグレッシブであってもいいのではないのかと。いい教育やいい仕事をやろうと思ったら、別にアメリカのように成金趣味がいいとは申し上げませんが、やはりある程度の金銭的なものが必要になってきます。当社の場合は、それこそマイクロラーニングの新しいものを作っていく、こういうものを提案してみたいという、先生方との会話や意見交換の場があるとうれしいですね。先生方が持っている問題意識と、われわれが持っている問題意識を意見交換していくことによって、新しいものができたらいいなと思います。

寺尾 CIECのような学会の場は、うまく機能すれば、そういうものが作れるポテンシャルがあると思います。

出張 「エクセルで何とか」というのをシリーズ化したくて、まずはエクセルで会計を学ぶという商品を作れないかなと思っています。ワード、パワーポイント、エクセルの中で、パソコンを学ぶ最大の理由はエクセルではないかと思います。エクセルを使いながら統計を学ぶのは第一弾なのですが、エクセルを使ってこれを学生に提案したらいいのではないか、企業がこういうものを社員に学ばせたらいいのではないかというものがあったら、ぜひご意見をお聞きしたいです。

寺尾 そうですね。よく考えたことではないのですが、エクセルは御社が「VBAエキスパート」試験を扱っておられるように、プログラミングとも相性がいいですね。小中高のプログラミング教育の中でもう少し使われてもいいのではないかと思っています。ふだんもしエクセルを使っているのであれば、いつものエクセルでこういうこともできるということで、敷居が少し低くなっています。いまの小中高のプログラミング教育は、いわゆるビジュアル言語が主流ですが、古典的なコードを書くようなプログラミングも行いたいのであれば、エクセルVBAはよい選択肢のひとつではないかと思います。本日はありがとうございました。

※CIEC(Community for Innovation of Education and learning through Computers and communication networks)、読み方は「シーク」。教育と学びにおけるコンピュータおよびネットワークの利用のあり方等を研究し、その成果を普及することを目的とする一般社団法人。